2025.09.11
メッセージ
ネパールにおけるデモ及び政情不安に寄せて
【ネパールの現状】
既に日本でも報道されている通り、汚職反対等を掲げる若者を中心とした「Z世代デモ」が9月8日よりカトマンズ含むネパール各地で発生、警察との衝突等により多数の死傷者が出る事態となりました。デモはその後も拡大し、9月10日にはオリ首相(共産党マルクス・レーニン主義派)が辞任しました。
その後も、一部の暴徒化した人々による放火や襲撃に伴い、政治関係施設のみならずスーパーやホテル、通信会社など民間の施設も被害に遭い、刑務所の襲撃で多数が脱走するなど、市内のあちこちで火の手が上がり、混沌とした状態が続きました。現在は軍が行動制限措置、外出禁止令を発出するなどし、治安維持に当たっています。
(写真:市内複数個所から煙が上がる様子、シャンティ職員が9月9日に撮影)
【シャンティのネパール事務所の対応】
シャンティのネパール事務所では9月8日に発出された行動制限・外出禁止措置を受け、職員は全員帰宅し在宅勤務を続けており、全員の無事が確認されております。
【平和な社会の実現に向けて】
シャンティは2015年の大地震に伴う緊急救援活動をきっかけに、学校建設や学校給食支援、図書館・リソースセンター設置などを通じた教育開発支援を行ってきました。
現地報道によると現在までに死者数30名以上、けが人は1000名以上に上ります。これら死傷者数には、デモに参加した若者も含まれ、9月8日のデモだけで19名が命を落としたとされています。ネパールの平和につながる支援を目指してきた団体として、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますと共に、デモに参加した若者に対する過剰な力の行使が行われたことは残念でなりません。
ネパールが一刻も早く平静を取り戻し、ネパールの人々にとってより良い社会が実現することを願い、これからも活動を続けてまいります。
事務局長
山本英里