• TOP
  • トピックス
  • お知らせ
  • アフガニスタンで、学校に行けない子どものためのCBE (Community Based Education)事業を開始しました(ユニセフ協働事業 )
2022.07.26
ニュース

アフガニスタンで、学校に行けない子どものためのCBE (Community Based Education)事業を開始しました(ユニセフ協働事業 )

新事業

シャンティは、ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金、以下ユニセフ)と連携しアフガニスタン東部地域で、国内避難民の子どもを対象とした教育事業を開始しました。

【タリバン暫定政権樹立後のアフガニスタンと子どもの教育】

2021年8月15日以降、タリバンの政権掌握によりアフガニスタン国内外では多くの避難民が発生しております。国内において、もともと干ばつ等の自然災害や新型コロナウイルス感染の影響を強く受けているアフガニスタンでは、昨年の政変以降、人口の半分以上に当たる約2千4百万人もの人が人道支援を必要としています。
また、女性の就労が大幅に制限され、さらに女子教育の停止、女子中学・高校が閉鎖されています 。現在、アフガニスタンの女性と女子の権利の保護が厳しい状況に陥っております。

アフガニスタンでは2000年代前半から20年以上に渡り、教育復興への取り組みが行われてきました。その結果、2000年以前は子どもの就学数が100万人以下だったにもかかわらず、2018年には10倍の約1千万人以上の子どもが教育を受けられる状態を実現していました。

しかしながら、度重なる自然災害や終わらない紛争、新型コロナウイルスの感染蔓延の影響もあり、2021年9月のユニセフの報告によると、当時で約4百万人以上の子どもたち(60%は女子)が学校に通えていない状況が報告されました。そして昨年8月、タリバン暫定政権が樹立し、その後教育面で人道支援を必要とする人の数は7百万人以上と報告されています(2021年1月『アフガニスタン人道危機対応計画』)。

2001年から2018年までのアフガニスタン(女子)生徒の就学率の推移 (Afghanistan Education Sector Transitional Framework 2022/2 p.10より)

2001年から2018年までのアフガニスタン(女子)生徒の就学率の推移 (Afghanistan Education Sector Transitional Framework 2022/2 p.10より)

このような状況を受け、ユニセフはアジア開発銀行(ADB)から予算を受け、アフガニスタン全土で5,119カ所に 仮設教育施設であるCBECommunity-Based Class )を設置する予定です。シャンティはその内500カ所のCBE設置を、アフガニスタン東部地域で担うことになりました。

 

【事業概要】

シャンティはアフガニスタン東部地域において、400カ所のCBCCommunity-Based Class)と100カ所のALCAccelerated-Learning Center)を設置します。また、設置した計500カ所のCBCALCにおいて、CBEプログラムを実施します。対象となる児童生徒の数は約15,000人です。

 

【CBC/ALCとは?】

CBC/ALCとは仮設的な教育施設、またそこで行われる教育モデルのことを指し、地理的・政治的理由等で現在公立学校に通えていない子どもたちの教育へのアクセスを確保することを目的としたものです。新しい学校を“建てる”というよりは、もともと地域に存在するモスクや長老の家の一画などを学習ができる環境として整え、授業が行えるようにします。

よって、コミュニティー(地域)とその名に示される通り、地域住民/コミュニティーの積極的な協力と参加がカギとなっております。地域で学校運営委員会を結成し、彼らにもCBC/ALCの運営やモニタリングにも関わっていただく予定です。

 

シャンティが過去に行った仮設教室を使った授業の様子(2017年)⒞Hiromi Yasui

 

CBCは初等教育1学年から3学年(6歳~9歳)までを対象とし、1クラス20人~30人で構成されます。

一方ALCは、これまで学習する機会が得られず、適齢の学年に就学することができない主に10歳~15歳の子どもを対象にしております。ALCは、1年間のプログラムで2学年分のカリキュラムを履修し、事業終了後、生徒が公立学校の適齢学年へ編入することを目的としています。

タリバン暫定政権が与える女子教育への影響を受け、本プログラムでは、CBC /ALC共にクラスの60%を女子児童・生徒とすることを生徒の選定条件として掲げています。

また、それに加えて本事業ではシャンティの強みを活かした「図書スペースの設置」も計画しております。各CBEのスペースの広さや環境に合わせて図書の配置を行う予定です。

 

【タリバン暫定政権下での教育事業の実施】

昨年の政変以降、海外のNGOがアフガニスタン国内で事業を行うことに関して、政変以前とは異なる調整や対応が求められています。このような状況下で、シャンティ東京事務所は現地職員と密に連携し、本事業を管理・運営いたします。また、現地職員は本事業のパートナーであるユニセフを始め、地域行政などのパートナー機関と協力しながら本教育事業を進めて参ります。

本事業の対象地域は、シャンティが物資配布・衛生啓発及び女性の保護の緊急人道支援活動を行う場所でもあります。

(本緊急支援の様子はこちらの記事をご覧ください→ 活動報告!生活困窮者への物資配布・衛生啓発及び女性の保護支援事業

シャンティのアフガンスタッフはこのように活動経験のある地域で、これまでの実績と経験を糧に、本教育事業にも尽力して参ります。

シャンティの衛生啓発及び女性の保護事業のために各家を訪問している様子

シャンティアフガンスタッフが国内避難民に対し子ども及び女性の保護について説明をしている様子

 

今後も実際の授業風景やCBE /ALC の様子、教員のトレーニングなど、みなさまに本事業の進捗状況を報告してまいります。引き続きアフガニスタンへの暖かい支援をよろしくお願いいたします。

(地球市民事業課 喜納昌貴)

 

昨年のタリバン暫定政権樹立から今年の8月15日で1年になります。シャンティもメンバーの一員であるJANICアフガン ワーキンググループは政変後のアフガニスタン国内、また日本へ退避して来た人の状況の変化に焦点を当てたオンラインイベントを開催する予定です。

詳細が決まり次第情報をアップしていく予定ですので、ぜひご確認ください!