2021.01.20
読み物

こっそり教えます、NGO職員の情報収集方法

皆さま、こんにちは。2020年5月より事業サポート課に入職した松本と申します。現在はミャンマー事業を東京からサポートする立場で仕事をしています。

私は以前よりNGO職員になることを目指して色々なNGOに関する情報を集めていたのですが、どうしても解決できない疑問がありました。それが「NGO職員はどうやって担当している国の”プロ”になるのだろうか…?」ということです。

去年まで素人だった私が、どのように担当国の教育分野に精通していくのか、晴れてNGO職員という肩書きを得て8ヶ月、徐々に自分なりの答えが出てきましたので共有したいと思います。

情報収集

結局は地道な努力

残念ながら、これさえ読めば全てがわかる!というような魔法の一冊はありませんでした。私の場合、入職して以下の3つの順番で情報収集を行いました。

①書籍:バックグラウンドを知る

その国の歴史や、団体の過去の活動は腰を据えて読みたいと思い、教育支援やミャンマーの歴史、シャンティや過去の職員が出版している本を数冊読みました。情報を全て覚えることはできないので、聞いたことがあるな~程度の知識を習得しました。また、過去の職員が出版している本はかしこまった文章でないことが多いので、読みやすくおすすめです。

②事業国の国家戦略計画:中期的な視点で現在何が起きているのかを知る

①の書籍だけでは現在の状況を把握することは困難なので、教育分野に対し、国として今取り組んでいる内容を国家戦略計画から知りました。(※国や分野によって存在しない場合もあるかもしれません。)ただ、ボリュームが多いので要約版やその分野を研究されている専門家の論文も随時参考にしています。

③たびレジとRSSリーダー:最新情報を知る

たびレジは外務省が配信しているサービスで迅速に正確な安全情報を得ることができます。最近では現地の新型コロナウイルスの感染者数もこのサービスを通して情報を収集しています(2021/1/19現在、ミャンマー)。RSSリーダーは登録したwebサイトの更新情報や新着情報を一覧で表示してくれるサービスです。ここにミャンマーのニュースサイトを登録しています。

魔法の一冊はなくても”プロ”への近道はあった

上の3つを読むと、なんだか平凡で時間がかかりそうな印象を持つのですが、この他にNGO職員の特権を活用した”プロ”への近道があります。

④現地にいる職員に直接聞く

例えば、「ミャンマーには出版社が何社あり、そのうち何社が児童図書を出版しているのかしら?」と疑問を持った場合、東京にいながら答えを見つけるのは簡単ではありません。なので、①~③からも把握できない情報や、現場でしか得られない情報は現地にいる職員に聞いています。また、定期的に現地から提出されるレポートからも現場の情報を得ています。

⑤シャンティが加盟しているネットワークのメーリングリスト

シャンティはいくつかのネットワークに参加しており、そのネットワークから情報共有が行われています。例えば、こんなレポートが発表されましたよ、といった内容のメールが来ます。それをもとにインプットを増やしている職員も多いのではと思います。

⑥NGO職員向けの研修

シャンティ内部でも研修は実施していますが、JICA等がNGO職員向けに様々な研修を行っています。内容も多岐にわたり充実しています。

ここまで6つの方法を紹介しましたが、紹介しきれなかった方法もいくつかありますので、残りはまた機会があればご紹介したいと思います。今回紹介した方法の中でも、皆さんそれぞれに合う方法や、合わない方法があると思います。ぜひ皆さんの気に入った方法で情報を収集していただき、シャンティの事業国に興味を持っていただけると嬉しいです。

事業サポート課 松本