ふるさと納税だけじゃない!公益法人への寄付も確定申告で税金控除に
あけましておめでとうございます。
事業サポート課の黒田です。
ついに東京オリンピックの年がやってきましたね。
新国立競技場も無事に完成し、国全体がオリンピックモードに変わってきているなあと感じています。でもオリンピックよりも前に、もう一つビッグイベントがやってくるのを忘れてはいけません。
そう、確定申告です!
サラリーマンの大半が年末調整だけで済ませてしまうため、確定申告を一度もやったことがない人も多いと思います。
しかし、近年の「ふるさと納税」人気によって、税金控除を受けるため確定申告をされた方もいるかもしれません。また弊会のような公益法人に寄付をしてくださった方も、税金控除を受けるためには確定申告をする必要があります。
でも、
「確定申告をしたことがなくてやり方が分からない」
「自分が寄付した団体が税金控除の対象団体だったのか分からない」
こんな疑問や悩みを持っている人がいると思います。
そこで今回は「確定申告・寄附・税金控除」などについて簡単にまとめてみました。
難しい専門用語や税金計算などは専門のサイトにゆずり、記事では寄付をした場合の確定申告の概要をさらっとつかめるようにしています。5分くらいで読める内容なのでご安心ください。
そもそも確定申告とはどんな制度なのか?
確定申告とは「1年間の所得を自分で計算、申告し、納税するまでの一連の作業」のことです。
自分の所得を申告し納税する行為なので「確定申告をしない」ことは、つまり「納税をしない」ことにあたり、言い換えると「確定申告をしない=脱税行為」となるため注意が必要です。
毎年2月16日~3月15日の間に税務署に行って確定申告をしてください。
(インターネット上で確定申告できるサービスもあります)
確定申告と年末調整の違い
「確定申告をしないと脱税行為になる」というとドキッとする人も多いかもしれません。
この記事を読んでいる人の中にも確定申告をしたことがない人はいますよね?
実は私も確定申告をしたことはありません(笑)でも脱税しているわけではないですよ。
所属・在籍している会社や団体が「年末調整」をしてくれるので確定申告をしなくてもいいんです。
ただし、副業で得た利益がある一定額を超える場合など、年末調整と確定申告をどちらも行う必要のある人はいます。
(このあたりは細かい条件がいろいろとあるのでご自分で調べてみてください)
基本的には、本業の給料以外に収入がない方は確定申告をする必要がありません。
(会社や団体に所属しない個人は業態に関わらず確定申告が必要です)
しかし何事にも例外があります。
会社や団体に所属していて本業以外に収入がない方も「寄付」した場合は、確定申告する必要があるんです。
確定申告しないと寄附金による税金控除を受けられない
「寄付をすると税金が安くなる」
こんな話を聞いたことがある、またはなんとなくそういう印象を持っている方は多いと思います。でも、実際にどういった手続きを経て税金が安くなる(控除される)のか分からないですよね。
実は「確定申告」こそ、寄付した人の税金を安くする手続きなんです。
残念ながら年末調整は寄付による税金控除に対応していません。
つまり、会社員など普段は確定申告していない方が寄付した場合、確定申告しないと控除を受けられません。確定申告しないと「寄付したけど税金が安くならない」ということになってしまうので要注意ですね。
ここまで読んで「自分は寄付をしていないから年末調整だけでいいなあ」と思っている方も注意が必要ですよ。
なぜなら、寄付していないつもりでも、実は寄付している場合があるからです。
また逆に、寄付しているつもりだけど、実は寄付できていない場合もあります。
ややこしいですよね(泣)
以下に簡単にまとめておくので自分が該当していないかチェックしてみてください。
寄付していないつもりでの、実は寄付している場合
「寄付していないつもりでも、実は寄付をしている」
こんな現象はめったに起こらないと思うかもしれませんが、実は日本国内で頻発しています。
その原因は近年盛り上がりを見せている「ふるさと納税」です。
ふるさと納税は自分が住んでいる自治体に税金を納めずに、自分で選んだ自治体に税金を納めて返礼品ももらえるサービスと考えている人が多いと思います。ふるさと「納税」という名称なのでそう思ってしまいますよね。
でも実は、ふるさと納税は全国の中からある特定の自治体を選んで「寄付」する行為にあたります。ふるさと納税が本当に納税行為なら、10万円払ったら10万円分が税金から引かれるはずですよね。でも、実際に控除される金額は、ふるさと納税で支払った額の2~3割ほどです。(所得額や返礼品の価値によって増減しますが)
支払った額の一部のみ税金から控除されるという特徴は寄付と同じですね。税制上でもふるさと納税は「寄付」として扱われているので、ふるさと納税の実態が寄付であることは間違いありません。そしてここまでに説明した通り、寄付したら年末調整しないと税金が安くなりません。
しかし中には確定申告をしていないけどふるさと納税で税金が安くなったという人もいます。
これは、ふるさと納税した自治体の数がある一定数以下の場合は確定申告しなくても税金が控除される制度があるからです。つまり、ふるさと納税で多くの自治体から返礼品を受け取った方は確定申告が必要です。この辺はややこしいですね。(詳しくは専門サイトなどで調べてみてください)
ここでは「ふるさと納税は納税ではなく寄付である」ということのみ覚えておいてください。
自分の生まれ故郷やゆかりの地でなくても利用できてしまうし、納税でもないふるさと納税は名称変更をした方ががいいかもしれませんね。「自治体選択型寄付」なんてどうですか?笑
寄付しているつもりだけど、実は寄付できていない場合
「寄付しているつもりだけど、実は寄付できていない」
こんな意味不明なことも起こる可能性はあります。
自分の財布から確かにお金は減っている。寄付先の個人や団体にもちゃんとお金が届いている。でも税金は控除されない。
こんな事態が発生する原因は国税庁のHPを見ると分かります。実は税金が控除される寄付は限定されているんです。
(ちなみに国税庁のHPに「ふるさと納税は自治体に対する寄付である」と堂々と書かれています笑)
- 1、国に対する寄附金
- 2、ふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)
- 3、社会福祉法人に対する寄附金
- 4、一定の特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
- 5、特定の政治献金
- 6、公益社団法人及び公益財団法人に対する寄附金
- 7、認定NPO法人等に対して、その法人に係る認定又は特例認定(仮認定)の有効期間内に支出した寄附金
- 8、特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額 など
引用元:国税庁HP
税金の控除を受けなくてもいいということであれば、世の中のあらゆるものに対する寄付は寄付となります。しかし税制上の寄付という観点でいうと、上記のいずれにもあてはまらない寄付は、寄付とは認められません。
例えば、
- アフリカの貧困問題の解決のために頑張っている友人のために寄付する
- 法人格をもたないNPOやNGOに寄付する
(NPOとNGOの違いについては下記のページもご参照ください)
https://sva.or.jp/wp/?p=34073
こういった寄付では、税金の控除をうけられません。
税金の控除を受けたい場合は、上記のいずれかに当てはまる目的または寄付先に寄付してください。
ちなみに、弊会は公益社団法人なので「6、公益社団法人及び公益財団法人に対する寄附金」に該当し、控除の対象となります。
弊会に寄付してくださった方には以下のような領収証をお渡ししていますので、確定申告時にご利用ください。
(注:寄付を証明する領収証がないと控除を受けられません)
「ふるさと納税」よりも公益法人への寄付のほうが控除額が大きいこともある
最後にちょっとした豆知識のご紹介です。
(実際は寄付ですが)税金を納めて返礼品ももらえてお得、というイメージのあるふるさと納税より、公益法人やNPOへの寄付のほうが節税効果が大きくなることもあるんです。
理由は、税金控除として認められる金額の割合が以下のように違うからです。
- ふるさと納税 20%
- 公益法人に対する寄付 40%
公益法人に対する寄付のほうが税金控除の計算に含まれる割合が大きいですね。しかし詳しい計算はややこしいので専門サイトを見てみてください。一例として具体的な税金計算式を載せているページを貼っておきます。
税金対策としてふるさと納税などを考えられている方も多いと思いますが、弊会のような公益法人や認定NPO法人への寄付金も控除の対象となりますので選択肢の一つとしてお考え下さい。
弊会は2020年も変わらず、アジア諸国の人々のため、また災害に苦しむ人々のために全力で活動してまいります。本年も何卒よろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
事業サポート課 黒田