2025.07.07

カンボジアの干し魚:受け継がれる美味しい伝統

カンボジア

こんにちは!カンボジア事務所のファリナです。

今回は、カンボジアでよく食べられている干し魚についてご紹介しようと思います。

カンボジアでは、干し魚は単なる食べ物以上の存在であり、特に農村部では暮らしの一部となっています。漁の季節には、トンレサップ湖やメコン川にたくさんの魚が集まるのですが、そのときに獲れた魚を保存する定番の方法となっています。多くの家庭では、新鮮な魚をおいしい干し魚にすることで、何カ月も楽しめる保存食として仕上げています。

下が干し魚で、上が焼いたり揚げたりしたもの。

 

干し魚の作り方

まずは魚をきれいに洗って、内臓を取り除き、開いたり切り身にしたりします。次に、塩や砂糖、うま味調味料のほか、お好みでニンニクやパームシュガーを加えて味付けをします。(パームシュガーについては、こちらの記事をご覧ください:自然の甘み、パームシュガーができるまで | シャンティコラム | 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA))その後、竹でできたトレーに魚を並べたり、紐で吊るしたりして、天日干しします。魚の厚みや天気にもよりますが、完全に乾くまでには、晴れた日でおよそ2~3日かかります。

魚を干している様子

干す前にチリを混ぜることもある

 

できあがった干し魚、おすすめの食べ方は?

干し魚の食べ方はいろいろありますが、カンボジアではカリッと揚げて白いご飯と一緒に食べるのが定番の食べ方です。また、ピリ辛のソース*にディップしたり、新鮮な野菜や果物と一緒に食べたりすることも多いです。サラダやおかゆ、炒め物に混ぜて食べるのが好きな人もいます。干し魚はしょっぱくて旨みがあるため、シンプルな料理との相性が抜群で、カリッとした食感がクセになります。

(*ピリ辛のソースの例としては、ライムとチリを混ぜたソースや、トゥック・プロホックと呼ばれるプロホック(淡水魚を塩漬けにし発酵させて作る調味料)をベースにしたソースなどがあります。)

 

干し魚は、スイカやマンゴーなどの甘い果物と一緒に食べることも多い

魚の身がしっかりしていて、表面が乾いていて、香ばしい香りがしたら、干し魚が完成した合図です。少しやわらかめで歯ごたえがある方が好きな人もいれば、カラっとよく乾いたパリパリの食感が好きな人もいます。しっかり乾燥させると、風通しの良い涼しい場所であれば、数週間から数カ月にわたって保存することもできます。市場で売られていることもあれば、家庭で手作りされることもあります。

干し魚は、カンボジアの人に親しまれてきた伝統の味で、シンプルかつ風味豊か、そして長い歴史が詰まった食べ物なのです。

 

バッタンバン事務所 幼児教育/アシスタント・コーディネーター ファリナ