2024.09.23

アフガニスタンからの避難民はどうやって日本で暮らしているの?

アフガニスタン
人びとの声

サラーム・アレイクム سلام علیکم!(あなたがたの上に平安がありますように)
みなさま、こんにちは!アフガニスタン事務所です。本ブログをご覧いただきありがとうございます。

アフガニスタンの政変から3年が経過した今、日本には「避難民」という形で、多くのアフガニスタン人が日本に身を寄せています。身の安全を確保するために、自分の国を離れざるを得なかった彼らは、どんな気持ちで暮らし、日々の生活を送っているのでしょうか。

今回、日本に避難民として来日したアフガニスタン人のマララ(仮名)にインタビューをしましたので、彼女の思いをお届けできたらと思います。

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二つの文化の交わり
皆さんは、東京をはじめとする都市部には多くのアフガニスタン人が暮らしていることをご存知でしょうか。日本に住むアフガニスタン人は、日本人の古くからの文化や伝統を受け入れつつ、どのように自分たちの文化や習慣を守り、暮らしているのかお話しできればと思います。

マララの日本での生活
私は、日本に住み始めてもうすぐ3年になります。最初は、日本での生活に慣れるまで大変でした。アフガニスタン料理を作るのに必要な食材をどのように手に入れればよいのかわからず、苦労しました。数カ月もたつと日本の友人や同僚が、アフガニスタン料理に必要な食材をたくさん売っている店や市場を教えてくれ、必要な食材や調味料を用意し、自分の国の料理を作ることができるようになりました。

さらに日本料理も学ぶ機会があり、伝統的な日本米の炊き方、天ぷらの揚げ方、沖縄のやかそばの作り方などいろいろな料理を勉強しました。

彼女が作ったてんぷら

日本人の友人たちとの集まりには、いつもボラニ(野菜を挟んで香ばしく焼きあげたパン料理)、カブリ・パラウ(お肉と人参の炊き込みご飯)などのアフガニスタンの料理を作っておもてなしをします。

アフガニスタンの料理「ボラニ」

アフガニスタンの料理「カブリ・パラウ」

時には、手作りのクルチャやクッキーを焼いてイード(断食明けのお祭り)や新年をお祝いすることもあります。

手作りのクルチャ

手作りのクッキー

アフガニスタンと日本、2つの文化的多様性がある中で生活し、おだやかな日常を送ることができていることに幸せを感じています。
アフガニスタンを離れた当時はものすごく落ち込み、両親や思い出といった自分にとって大切なものを置き去りにしてきたという気持ちでいっぱいでした。私だけじゃなく、他の日本に住むアフガニスタン人も同じ気持ちだったと思います。

そのような思いを抱えながらも、自分たちでプログラムを立ち上げ、助け合いながら生活をしています。もしくは民間の団体が、裁縫や手芸、料理教室などさまざまな支援プログラムを立ち上げることもあります。同じ地域に住むアフガニスタン人と日本人の女性数人で一つの場所に集まることで、彼女たちを活発で前向きな気持ちにすることができます。一般的に、彼女たちは、アフガニスタンにおいても日本においても家庭外での仕事がないため、このようなイベントに参加することが多いです。

彼女たちは共に学び、様々な問題について語り合い、時にはお茶を飲んだり伝統的なお菓子を食べたりすることで、自分の国と今住んでいる国の多様な文化を知ることができます。これは結果的に、お互いを知り、理解することに大いに役立つと思いました。そうすることで、お互いのマナーや習慣をよりよく知ることができ、お互いを理解したり受け入れたりすることがよりしやすくなると思っています。
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母国と大きく異なる日本での暮らしに慣れるまで、多くの苦労と彼らにしか感じられない葛藤があったと思います。
本記事を通して、日本に住むアフガニスタン人の思いに触れ、考えるきっかけとなれば嬉しいです。

 

アフガニスタン事務所