2014.03.27
読み物

心のよりどころ

スタッフの声
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

こんにちは。ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。
現在は、出張で2週間東京事務所に来ています。東京ではちょうど桜が咲き始めており、電車の中から眺める風景を毎日楽しんでいます。

東京事務所に来てから、難民キャンプでの事業立ち上げ当時のスタッフの方と話をする機会があり、現在東京で研修を受けている所長代行のセイラースタッフも含めて10数年前の写真を見ながら話をしていると、当時の絵本の読み聞かせを聞いている子どもたちの写真の中に、見覚えのある顔を見つけました。その写真の中にいたのは、その後図書館青年ボランティアとして活躍し、今年アメリカへ第三国定住をしたメラ難民キャンプに住んでいた男の子でした。「小さいころから絵本に親しんできて、きっとその楽しい経験もあって、図書館青年ボランティアになったのだろうな」と思い、写真を見ながら嬉しく感じました。
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これまで、難民キャンプから多くの子どもたちが第三国定住をしていきました。世界各国へと出発した子どもたちの状況を追うことはなかなか難しいですが、facebookなどのメディアを使って、時々「図書館が懐かしい」、「私が住んでいたキャンプの状況を知ることができて嬉しい」、「図書館員のXXさんは、元気そうだね」というようなコメントが世界各国から来ます。その中には小さいころから図書館によく通った子もいて、自分が生まれ育った難民キャンプ、そして図書館をしっかり心に留めているようです。

2000年に事業が始まってから14年経ちましたが、今でも図書館の中で子どもたちは、写真の中で見る当時の子どもたちと同じ眼差しをしています。難民キャンプの状況が変わる中で、難民の自主的本国帰還の話も出てきており、この子どもたちは10年後はもしかしたらミャンマー(ビルマ)に帰っているかもしれませんし、第三国定住でアメリカやオーストラリアで一生懸命勉強を続けていたり、中にはタイの社会の中で生活を始める子もいるかもしれません。そのとき、子どものときに経験した図書館、おはなしの世界が彼らの心のよりどころとして残っていったらいいな、と当時の写真を眺めながら改めて感じました。
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ご支援者の皆さんやスタッフと協働して、子どもたちの心に将来的に残っていくような、心のこもった図書館活動ができるように尽力していきたいです。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所   菊池