2025.08.22

メラウ難民キャンプの歩み

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
図書館
活動風景

みなさん、こんにちは

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所のウェンです。

前回はメーホンソン県の深い森の中にあるメラマルアン難民キャンプをご紹介しましたが、今回はメラアルマン難民キャンプと同じメーサリアン郡にあるメラウ難民キャンプの歩みを見ていきたいと思います。

メラウ難民キャンプはメーホンソン県メーサリアン郡のユアム川沿いの山岳地帯に位置しています。ここはタイ・ミャンマー国境沿いにある難民キャンプの中でも最も孤立したキャンプの一つです。キャンプは2004年3月に正式に開設されましたが、その歴史はさらに遡ります。メラウ難民キャンプが設立する前、多くの人々はメコンカと呼ばれる別の難民キャンプで生活をしていました。2002年9月、メコンカ難民キャンプを大規模な地滑りが襲いました。これは悲惨な災害により亡くなった人は26人にのぼり、また多くの住宅、学校、診療所が破壊されました。地滑り後、メコンカ難民キャンプは閉鎖され、より安全な場所に難民キャンプを設立しようと、タイ政府、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)、NGO等の協力の下に開設されたのがこのメラウ難民キャンプです。メコンカ難民キャンプから多くの人が移住し、また周辺地域の小さな難民キャンプから来た人々も加わりました。

メラウ難民キャンプの外観

現在、メラウ難民キャンプには約9,000人が暮らしています。そのほとんどは、ミャンマーのカレン州とバゴー地域から来たカレン族です。メラウ難民キャンプはメラマルアン難民キャンプと密接に結びついています。両キャンプ間はユアム川を利用してボートで移動することができます。この2つのキャンプの住民は互いに支え合っています。

メラウとメラアルマンの2つの難民キャンプは、私たちの活動開始以来並行して発展してきました。初期には各キャンプに3つのコミュニティ図書館を建設しました。これらの図書館は、竹、ユーカリ、バイ・トン・トゥエン(乾燥させた大きな葉)などの自然素材で造られました。その後メラウ難民キャンプには合計4つの図書館を、メラマルアン難民キャンプには最大5つの図書館を建設しました。現在、各キャンプにそれぞれ3つの図書館が残っていますが、人々の心の拠り所であり続けています。

コミュニティ図書館での読み聞かせの様子

メラウ難民キャンプとメラマルアン難民キャンプへの移動についてお話しします。スタッフが両キャンプを訪問する計画を立てる際には大体約5営業日を見積もります。キャンプへの道は舗装されておらず、砂埃が舞う悪路で、時には川も渡ることもあり、運転は大変です。四輪駆動車に本や備品、スタッフの私物など必要な物は全て積み込み目的地を目指しました。

両キャンプ間はボートで移動します。

難民キャンプへの訪問時には、スタッフは2つのキャンプの間にある小さなタイの村のゲストハウスに宿泊しました。その村には公共の電気や水道施設はなく、夜は数時間発電機を使用して、水は山から汲んでいました。シンプルながらも、キャンプへの長旅の前後で休息する静かな場所でした。

悪路や水路での移動などメラウ難民キャンプへの移動は大変ですが、私たちを待ち望んでいたキャンプでの子どもたちや人びとの笑顔に出会うと道中の苦労などすぐに忘れることができました。

次回はタムヒン難民キャンプのことをお伝えしようと思います。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 ウェン