2025.04.22

メラ難民キャンプでの活動を振り返る

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
図書館
活動風景

こんにちは。ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所のウェンです。

先月の50周年記念式典に続いて、今月4月はタイ・ミャンマー国境沿いのキャンプの中で最初にして最大のキャンプであるメラ難民キャンプから、カレン難民キャンプの起源について考えてみようと思います。

1984年、ミャンマーのカレン州パアン地区で戦闘が勃発し、多くの村民がメラ地区を通って国境を越えて避難することを余儀なくされました。そして同じ年の4月、メラ難民キャンプがタイのターク県ターソンヤン郡に設立されることとなります。
メラ難民キャンプは7つあるカレン難民キャンプの中で最大のもので、人口は約6,700世帯、37,000人にものぼります。

メラ難民キャンプ全体像の写真

メラ難民キャンプの様子(©Yoshifumi KAWABATA)

「メラ」という名前は、1970年代にパアン地区の事務所が一時的にタイ側のバンメラ(Ban Mae La)近くに移されたことに由来します。1980年代初頭、カレン族の指導者たちによりのちにカレン族側に再度移転されました。

初期の人道的支援は国際組織から始まりました。オランダの団体が教育を、国境なき医師団が医療を、国境コンソーシアム(TBC)が食糧支援を担いました。キャンプが成長し、ニーズが高まるにつれて、より多くの組織が支援に乗り出しました。 (カレン難民委員会50周年記念冊子より)

シャンティは2002年にメラ難民キャンプでコミュニティ図書館プロジェクトを開始しました。 最初の5つの図書館は、竹やユーカリ、バイ・トン・トゥエン(乾燥させた大きな葉)などの自然素材を使って建てられました。

竹などの自然素材でつくられた図書館

自然の素材を使用して建てられた図書館(©Yoshifumi KAWABATA)

図書館は、ただ本を読むだけの場所ではなく、みんなが座ってくつろぎ、友人と語り合える集いの場となり、子どもたちにとっては、自由に本を読んだり遊んだりできる安全な場所でした。図書館はキャンプ唯一の娯楽でした。
当初、図書館は本だけでなく、伝統楽器教室やカレンの踊りなどの文化活動も取り入れ、コミュニティのアイデンティティと誇りを守る役割も果たしていました。

図書館に集まり伝統的な楽器を演奏する子どもたち

伝統的な楽器を演奏する子どもたち

高齢者のための活動も企画され、図書館で高齢者が集まって話をすることで社会的なつながりが保たれました。また、ヨガをする場も提供されました。

図書館で集まりヨガをする人々

図書館で集まりヨガをする人々

さまざまな場所でニーズが高まるにつれ、さらにもう1館、図書館が建設され、最終的にはそれぞれの教育施設の近くに計6つの図書館ができました 。現在は資金不足のため運営している図書館は4つとなりましたが、各図書館は学習や創造性の場として、また共に時間を過ごす場として、コミュニティで重要な役割を果たし続けています。

私たちはキャンプの教育委員会、カレン難民委員会教育部会、キャンプ教育部会事務所、図書館員、青少年ボランティアとともに、この図書館をあたたかく人々を迎え入れる有意義で活気に満ちた空間に保つために最善を尽くしています。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 ウェン