2018.04.05
読み物

より良い教育のために何ができるのか

カンボジア

皆さまこんにちは!

カンボジア、バッタンバン事務所で4/3(水)にNGO海外研修往プログラムを修了しました、

益子歩鞠(ますこほまり)です。

様々なことがあった研修期間もとうとう終わってしまいました。

東京の桜を見るのはとても楽しみですが、バッタンバンの川のある景色、おいしい食べ物、暖かい気候、そして何よりいつも親切にしてくださったバッタンバン事務所の職員の皆さまとお別れをしなければいけないのは本当に悲しいです!(本記事執筆は4/2)

事務所の方には様々な業務において助けていただいたり…

バッタンバンの観光名所(バンブートレイン)に行ったり…

仕事終わりにご飯を食べに行ったり…

皆さま本当に楽しくて優しい方ばかりで、たくさんお世話になりましたし、たくさんのことを学ばせていただきました。

カンボジアでの滞在が充実したものになったのはひとえに事務所職員の皆さまのおかげです。

今回のブログではそんな皆様に支えられた一か月の中で考えた、カンボジアを含めた開発途上国の教育、そしてより良い教育のために私たちに何ができるのか、ということについて自分なりに感じたことについて書かせていただきます。

カンボジアの教育について
研修期間中には事務所でのオフィスワークの他にも、支援対象校への訪問に同行させていただくなど、カンボジアで実際に教育が行われる現場に訪問させていただく機会が多くありました。

学校建設事業で訪問したある小学校では、以前から様々な理由で新校舎の建設が求められていました。

この学校はカンボジアの中でも遠隔の地域にあり、周辺の道は朝方に雨が降ったこともあり状態がとても悪く、がたがた道で、通るときにはまっすぐ座っていられないほど車が揺れました。

そんな道を通ってやっと到着した学校にはきれいな新校舎やトイレなど、日本のご支援者様の協力によって建てられた学校設備が整っていました。トタン屋根と木造の壁で作られた旧校舎で授業が行われていた頃は天候に影響を受けやすく、悪天候のために授業を中断せざるを得ないこともあったそうです。また、教室数が足りないために一つの教室で二つの授業が同時に行われることや、屋外で授業が行われることもありました。


(旧学校校舎)

また、この地域はポルポト政権時代の争いが最後まで続き、その影響が現在もより色濃く残っているとのことでした。


(新学校校舎)

カンボジアにいるといまだに残るポルポト政権や長く続いた戦争の影響をよく感じます。

事務所スタッフの方の中にもポルポト時代のカンボジアを経験した方がたくさんいらっしゃり、お話を聞く機会もありました。食べるものがなく、学校に行けないのはもちろん、中には親族が目の前で殺されるのを見たと言っている方もいらっしゃいました。実際に経験した方のお話はやはり心に訴えかけるものがあり、とても衝撃をうけたことを覚えています。

多くの知識人が殺され、様々な学問的資料も失われたこの時代の影響で、現在もカンボジアの教育は他国のそれよりも物質的、人的にまだ不足している面があります。

そのため今回訪問した小学校のような場所においては子どもたちがより授業に集中し、安心して学校で過ごせるような環境を作ることは子どもたちの教育において必要不可欠ですし、物的な支援の重要性を改めて感じるきっかけになりました。

より良い教育のために

しかし同時に、よりよい教育は子どもたちが勉強に集中できる環境を整えるだけでは実現しません。

教員の質や教育内容、また卒業後の子どもたちにどれほどの選択肢が与えられているかということも物的支援の他に考えなければいけません。さらに、国際教育協力においては特に、現地の人々が支援終了後も自らの力でその教育の質を維持、向上させていけるかを考える必要があります。

これらの重要性は事務所での研修を通して非常に強く感じました。

事務所で頻繁に行われていた話し合いや会議に参加させていただいた際には、必ずと言っていいほど教育の質、そして特に支援後のことについても話合われており、いかに職員の皆さまがこれらのことを念頭に置いて業務を行っているかということを感じました。また、フィールドでの話し合いやイベントではシャンティ職員の方がすべて取り仕切るのではなく、質の高い教育を現地の方々と「一緒に」考え、行うことが重要視されており、改めて現地の人々に寄り添い、協力するというシャンティの姿勢を感じました。

よりよい教育とは何なのか、そのためには何が必要なのか、まだ私にはわからないことも多くあります。ですが現地の方に寄り添い、現地の方と一緒に考えていくシャンティでの研修を通して、支援のその次を見据えて現地の方と一緒に協力していく。そうやってより良い教育を求めて活動していくことが大切なのだと感じました。

最後に

私は将来国際教育協力にかかわっていきたいと考えています。今回の研修を通して、教育について現地の方と一緒に考え、求めていく大切さなど、たくさんのことを学び、得ることができました。ですが同時に、自分の経験や知識のなさを再認識することもできました。今後も今回学んだことを糧に教育のために自分のできることを少しずつ行っていきます。

また、カンボジアでの研修中には国籍を問わず、本当にたくさんの方とお会いし、お話をする機会がありました。日本で生まれ育った私とは全く違う経験をしてきたカンボジア人の方々、様々な経験や考えを持ちカンボジアに駐在していらっしゃる日本人の方々のお話を聞いた経験は自らの将来、生き方、そしてよりよい教育とは何なのかについて、今までとは違った見方で考える機会になり、改めて人とのご縁に感謝することが多くありました。

バッタンバン事務所での研修、そしてカンボジアで出会った多くの方とのご縁は本当に貴重な経験になりました。改めてこのような機会を与えてくださり、研修中もサポートをしてくださったシャンティスタッフの皆さま、そして私がこの研修に参加することを可能にしてくださったすべての皆さまに感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。


(バッタンバン事務所スタッフの皆さまと)

また、この研修プログラムはNGOでの業務を経験できる貴重な機会になります。国際協力や教育、カンボジアをはじめとする東南アジアの国々に興味がある方はぜひ本プログラムに参加してみてください。

シャンティ国際ボランティア会 NGO海外研修プログラム
カンボジア事務所研修生 益子歩鞠