2017.07.21
読み物

学校に通えない人たちに「学ぶ場」を

カンボジア
人びとの声

30年近く続いた内戦が終わったカンボジアでは、目覚ましい経済成長を遂げる一方、都市と農村の経済格差が広がっています。農村部では教室や教員が不足しており、経済的な理由で学校へ通えない子どもたちもいます。

「学校には行きたいけど、家を支えるために働いている」

イェン・チェムくん(13歳)
イェン・チェムくん(13歳)

学校に行くのは好きだったけど、3年生のとき、弟や妹を食べさせるため学校には行かなくなりました。毎日キャッサバ畑で10時間働いて1日にもらえるのは4~5ドル。両親と姉と自分の稼ぎを合わせて1日20ドルにしかなりません。昔、難民だった両親は帰国してからずっとキャッサバ畑で働いています。

カンボジアの子どもたちへ「学ぶ場」を届けるための取り組み
カンボジアをはじめ、シャンティが活動しているアジア各国では、イェン・チェムくんと同じように、学校に通いたくても通えない子どもたちが大勢います。学校に通えなかったのは、子どもだけではありません。教育を受ける機会がなかったため、大人になっても文字の読み書きができない人もいます。

中には、農業の知識が不足し、必要以上に肥料や飼料を使いすぎて赤字になる農家もいます。また、お金の使い方や貯金の大切さを学べなかった人たちは、子どもたちを継続的に学校へ通わせることができません。

教育を受けられなかった親の子どもは教育を受けられない可能性が高く、次の世代へと貧困の悪循環が連鎖していきます。そんな「貧困の負のサイクル」を断ち切るため、シャンティは1991年よりカンボジアで教育文化支援を行なっています。

すべての子どもたちに教育の機会を届けるために
私たちは、“教育”には人生を変える力があると信じています。地域の文化を大切にしながら、本を読む機会を届け、人を育て、学べる場をつくるため、皆さまのご協力をよろしくお願いします!