2024.12.15
カンボジアの伝統楽器 クセ・ディエフ
こんにちは。カンボジア事務所のフーンです。
今回は、カンボジアの伝統楽器の一つである「クセ・ディエフ」をご紹介します。
クセ・ディエフは、カンボジアに古くから伝わる伝統楽器の中でも最も古いものです。7世紀頃の複雑なデザインが特徴で、9世紀から13世紀にかけて建てられたアンコール・ワットのバイヨン寺院の壁の彫刻を見ると、至るところにこの楽器が描かれています。クセ・ディエフは、冷静さ、真実、幸福を象徴する動物の女神を表しているそうです。
クセ・ディエフは、精巧なデザインと音色が特徴である、カンボジアの伝統楽器です。良質な木材から作られ、長さは約0.8メートル。サウンドボックスは乾燥したひょうたんの殻で出来ており、弦が一本張られています。この楽器はひょうたんを栽培していた農民から生まれたと言われており、殻を叩くと独特の音が出ます。
演奏するときは、演者は殻の部分を胸や腹部に当てるのが基本の姿勢です。他の楽器を引き立てるように演奏し、メロディーを際立たせます。美しく響くクセ・ディエフの独特の音色は、聞く人々を魅了します。パイプから作られた金属製のピックを指先につけて、左手側にはスムーズに演奏できるように革やプラスチック製のブリッジも備えられます。演奏者は通常、指先で弦を叩き、素早く弦を引いて弾くことで音を出します。左手は、胸に当てている殻の近くで弦を抑えます。
クセ・ディエフは、他の楽器とは一線を画し、鋭くはっきりとした音を出します。そのため、独唱や弾き語りなどの際、他の楽器の音に交じってメロディーをひときわ輝かせることができます。そのユニークな音色は、演者の演奏技術の賜物なのです。
バッタンバン事務所 学校建設、幼児教育事業 / プロジェクト・スタッフ フーン