自然の甘み、パームシュガーができるまで
こんにちは。カンボジア事務所のフーンです。
皆さんは、パームシュガーについてご存知でしょうか?
パームシュガーは、日本では「ヤシ糖」とも呼ばれており、近年は健康に良い砂糖としても注目を浴びています。起源はカンボジアをはじめとする東南アジアや南アジアといわれており、これらの地域ではさまざまな種類のヤシの木が豊富に自生しています。
パームシュガーの生産には数千年にもおよぶ歴史があり、東南アジアや南アジアにおける古代の農業社会では欠かすことのできないものでした。
今回は、そんなパームシュガーがどのようにして作られているのかをご紹介したいと思います。
1.足場を作って木に登る
ヤシの木はとても高いため、まずは木に登るための足場を用意する必要があります。竹や木を使って足場を組み、つるやロープを使ってヤシの木にしっかりと固定します。こうすることで、木の高い部分まで登って樹液を採取できるようになります。
足場を作って木に登る様子(登っているのは、僕の甥っ子です!)
2.花茎から樹液を採取する
パームシュガーに使う樹液は、木の幹だけでなく、花茎からも採取することができます。採取には、折れずに曲げられるほどしなやかで、成熟したヤシの花茎を選びます。ヤシの木には雌雄があり、雌木は果実を実らせ、雄木は細長い花茎をつけます。いずれの木でも、樹液は花茎から取ることができます。花茎を3~4日間かけてゆっくり押し付けたら花の先端を切り落とし、切り口から樹液が自然に流れ出します。
通常、樹液の採取は午後4時ごろから始まり、一晩中かけて行われます。そして翌朝9時ごろには、集めた樹液が加工できる状態になります。
ヤシの木の雄木。写真中央に見えるのが雄木の細長い花茎
3.樹液を煮沸してパームシュガーを作る
収集した樹液を煮沸したら、パームシュガーのでき上がりです!煮ている間に樹液を激しくかき混ぜると、白いパームシュガーになります。
樹液を煮沸している様子
現在、カンボジアでは多くの農家がコメの生産やと販売と並行してパームシュガーの製造を副業としており、重要な収入源の一つとなっています。
バッタンバン事務所 テクニカル・サポート/アシスタント・コーディネーター フーン