ビエンチャンの今
4月に入ってすっかり春らしくなりましたね。新宿御苑の桜も開花し、今週末にはお花見ができそうです。
こんにちは。広報課の清野です。
先月、ラオスに行ってきました。
2012年11月に「アジア・欧州会議(ASEM)」が開かれるため、首都のビエンチャンでは街中の整備が進んでいます。
中心部では、高層マンションの建築が進んでいたり・・・
メコン川の河岸もきれいに整備され、早朝にジョギングやサイクリングを楽しむ人も。
聞いている以上に都会だなあ、という印象を持ちましたが・・・
中心部を離れると、まだ未舗装の道路が。鉄道やバスなどの公共交通機関がないビエンチャンでは、市民の足はバイクですが、このところ、車の台数も急増しています。以前は高級車しか輸入されていなかったのですが、最近、比較的手頃な値段の車も販売されるようになり、生活レベルにあわせた車を選べるようになってきたことも、その原因とのこと。
街を歩いていたら、図書館を見つけ!
中では若いお坊さんたちが熱心に本を読んでいましたが、蔵書はあまり十分ではなさそう・・・きれいに整えられた河岸とのギャップを感じました。
さて、この日は、移動図書館活動に同行。ラオス事務所から車で40分、首都郊外の小学校に向かいます。
数日前に降った雨で道がぬかるんでいます。雨季になったら、通行が大変なことが想像できます。
小学校の周りの集落。これはラオ族の家。高床式の昔ながらの家々です。
この集落はモン族が多く、小学校に通う子どもの98%がモン族とのこと。この家はモン族の家。日本のかやぶき住宅と同じ造りですね。
移動図書館車が小学校に着いたら、まず、自由に絵本を読んでもらいます。みんなで車から絵本を運び出したり、楽しみにしていたことが伝わります。
それから、この小学校の先生による、クイズや読み聞かせ。
子どもたちも身を乗り出して絵本に見入っています。
「先生や図書館員に、図書館活動の練習を積んでもらっているんだ。ぼくはそのアドバイスをしているよ」と説明してくれたスタッフのミンチェン。
この日もギターで子どもたちをひきつけながら、読み聞かせやクイズは先生たちに任せて見守り役に。
このように、首都ビエンチャンの近郊でさえ図書館へ行くための公共交通も発達していないため、子どもたちが本に接する機会は本当に限られているのだとわかりました。
毎日子どもたちと接する先生たちが、図書館活動の技術を身につけることで、図書室がない学校でも、子どもたちは本の楽しみに触れることができます。
20年目を迎えるラオス事務所の活動は、こうやって地元の人びとにつながっていっているのだなあ、と感じました。
それと同時に、このままだと、同じビエンチャンの中でも格差が広がっていくこと。
国が発展していくとき、全てが同時に進んでいくのではなく、後回しにされる地域、人びとがいることを実感しました。
これからも、人の成長に不可欠な教育・文化面で、しっかり活動していきたい、そして、広報として、しっかり事業を支えていきたいと感じたラオス訪問でした。
(広報課 清野陽子)