ラオス事務所より新年のご挨拶
サバイディーピーマイ(新年あけましておめでとうございます)。
ラオス事務所長の加瀬です。
遅ればせながら、ブログを通じて、皆様に新年のご挨拶をさせていただきます。
ラオス事務所にとって、2014年は新規プロジェクトの開始、それに伴う地方事務所の開設など、新たな挑戦を多く含む年となっています。
他の東南アジア諸国と同様に、ラオスも経済成長に伴う急激な変化を迎えています。都市部の人びとが経済成長の恩恵を享受している一方、地方農村部では、貧困問題などで学校に通うことができない、または中途退学を余儀なくされてしまう子どもたちがたくさんいることも現実です。地方農村部では、教員不足や、教科書不足、教員の指導力不足など、教育面だけを見ても、たくさんの課題が残されています。
プロジェクト実施地域の学校での授業の様子
首都のビエンチャンでは、より良い教育を受けさせたいと私立に通う子どもたちの数が多くなっていると聞きます。ラオス事務所近隣の学校を通学時間に通ると、子どもを送り迎えする親の車で部分的な渋滞が見られるほどです。
ビエンチャンのランサン通り。一番の幹線道路で朝夕には大規模渋滞が発生します
このような光景を見ると、地方農村部との格差を感じずにはいれません。私たちのプロジェクト実施地域では、山を越えて、毎日徒歩で隣村の学校まで通う子どもたちも多くいます。手には、学校の行き帰りに山に入り筍や木の実などの林産物を取るために、小さななたをもっていたり、水汲み用のボトルを持参している子どももたくさんいます。子どもも立派な働き手です。
村で出会った魚とり少年
発展と言っても、何をもってそれを発展と呼ぶのかには、様々な考えがあると思います。日本人の我々がラオスの地方農村に行けば、人びとの無邪気な笑顔や素朴さ、自然の豊かさに、感銘を受けることも多くあります。
豊かな自然に囲まれたプロジェクトを実施している農村
それでも、私は、発展とはすべての人びとが自分の将来や希望を選択できる能力を養うことの上に成り立つものだと思っています。人びとがこうしてみたい、ああしてみたいという思いが、すこしでも実現できる社会、選択肢を持つことができる社会に、ラオスの地方農村部にもなってほしいと思っています。
多くの人びとが豊かな選択肢を享受できるように、微力ながらお手伝いを続けていきたい、そんな思いを胸に2014年も走ってまいります。
移動図書館活動を楽しむ子どもたち
今後とも、皆様のお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。
ラオス事務所 所長
加瀬貴