寒さとの闘い
サバイディー。ラオス事務所、加瀬です。
「寒い!」の一言に尽きたここ1か月。
特に1月下旬は、寒波の影響で、ラオス国内でも記録的な寒さになりました。
ラオスは日本の本州ほどの面積に、北部が山岳部、中部、南部が平野部、中部以降のベトナム国境沿いが山岳部です。
地理的に多様性があるため、日本の沖縄と北海道のように気温も大きく異なります。
記録的な寒さになった1月下旬、報道によれば、各地の気温は以下の通りでした。
北部にあるルアンナムター県で7.4度、東北山岳部のシェンクワン県で1.4度、隣接県のフアパン県で2度、中部にある首都ヴィエンチャンで10.7度、最南部に位置するアッタプー県で15.6度、でした。
とくに厳しい寒さになったフアパン県では、200頭以上の牛、100棟以上の水牛が寒さで死んでしまったり、養殖されていた魚が全滅するなど、大きな影響がでました。
現在の事業地はフアパン県との県境にある地域で同じく山岳部のため、駐在スタッフの報告によれば3度くらいしかなかったそうです。
寒い中、研修を行いましたが、暖房設備が皆無なラオス、屋内といっても屋外と変わらず、また季節外れの雨も降り、先生方も震えながらの学びでは研修の質の維持も難しいと判断し、1日で終了となってしまいました。寒波が過ぎ去った翌週に追加研修を行い対応し、なんとか乗り切りました。
それでも、村にある家屋は、もちろん断熱仕様はないため、屋外と変わらない寒さです。たき火で暖を取るくらいしかできないので、村の人びとの生活も心配です。
このような状況のなか、シャンティのラオス人スタッフの有志が声かけを行い、150枚のブランケットをラオス人同士で寄付し、それらの配布を行うことになりました。
スタッフが私に、「加瀬さん、自分たちで友人や知人に声掛けして、ブランケットを集めたのですが、事業地で配布してもよいですか」との相談があったときには、素直に感心しました。
ラオス人同士で相互に助け合いの精神を持つこと、ラオス人スタッフがシャンティとの関わりの中で、そして自身のラオス社会でのあり方を考える中で、このような自発的な行動を起こすこと自体、とても良いことなのではないかと思います。
まだまだ、様々な問題があるラオス、もちろん外国からの支援も重要ですが、ラオス人同士での助け合いが今後、もっと、もっと、大切になっていくと思いました。
ラオス事務所
加瀬貴