2018.09.03
読み物

ラオス:素敵な出会い

ラオス

ラオス事務所インターンの松永です。

こちらは9月になってもまだまだ雨は続いております。10月からは乾季が始まるようで、この雨を恋しく思う時が来るのかもしれません。

事務所の入口

事務所の入口

先日ルアンパバーンの街並みが一望ができる『プーシ-の丘』に登ってきました。

そこは、ルアンパバーン市内の中心地から15分ほど山を登ったところにあります。

プーシ-の丘からの眺め

その日は久しぶりに晴れていたため、多くの観光客が夕陽を眺めるためにいました。

日が落ちるのを待っていると、ラオス人の5、6名の青年グループに声をかけられました。

彼らは近くに住むモン族の中高生で、観光客と英語の練習をするために、自宅から1時間以上歩いてプーシーの丘にくるのが毎日の日課だそうです。彼らは、その日に学んだ新しい単語やフレーズをノートに書き綴っていました。

その中の15歳の青年がこう言いました。

「僕たちの家庭はとても貧しいです。僕の両親も病気がちで、学校を退学する可能性もあります。でも僕は学ぶことが好きなので、学校もやめたくないですし、大学にも進学したいと思っています。だから、僕は英語を一生懸命勉強して、海外の政府から奨学金の援助を受けて、日本、オーストラリア、アメリカのいずれかの大学に進学し、その後海外で働きたいと思っています。」

彼の英語は、学校の英語教育の中で身につけられるレベルをはるかに超えているのは確かでした。20分ほどの会話の中で、彼が今までどれだけの努力してきたのか、英語力向上に対する強い想いをうかがい知ることができました。

ラオスには、彼のように経済的な理由で学びたくても学べない子どもたちが数多くいます。

ラオス国内の平均貧困率は24.8%(世界銀行,2015)

地方の貧困率は、都市よりも高い傾向にあり、深刻な問題です。

初等教育の進学率は98.5%ですが、5人に1人の児童が小学校を中退。(国際協力機構,2016)

中学高校への入学率は78.1%( Education and Sports Sector Development Plan 2016-2020)、大学進学ともなると17.21%という統計結果が出ています。(UNESCO Institute, 2018)

自らが置かれた環境に屈せず、自分ができることを精一杯努力し、これからの夢を語る彼の顔はとてもキラキラ輝いて見えました。

私たちも困難にめげずに、彼のような「自分の夢を描くことのできる子どもたち」を養成していくために、一つひとつの活動で最善を尽くしていきたいと思います。