ラオスの東南アジアで一番旨いビール、ビアラオの美味しさの秘密の話
アジア地域ディレクターの八木沢です。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。お陰様でシャンティ歴39年目となりました。正月なのでラオスのビール、ビアラオの話です。
ビアラオ、ラガーとダークに相性のいいハパイヤサラダ
国内シェア9割を誇るビアラオ
ラオスは内陸国で調味料さえタイなどからの輸入に依存しています。そんなラオスで国産のビールのビアラオが9割のシェアを誇っています。世界の品評会で数々の賞を受賞しています。東南アジアで一番旨いビールとして評価が高く今では世界17カ国に輸出し、日本でも購入ができます。
私のビアラオとの出会いは1985年に遡ります。当時のラオスは電力不足で首都ビェンチャンの街は日が暮れると真っ暗。レストランで水よりも安全だと飲んだのがビンに入ったピアラオでした。安全どころか強烈な下痢に3日間悩まされた苦いを思い出がありました。
私がラオスに駐在していた2003年から2006年は、村での学校建設の贈呈式等のお祝いや会議の後の「キンカオ・サマキー」(連帯の宴)の時は、必ずラオスの国民酒「ラオラオ」と「ビアラオ」は必ず出ていました。首都ビエンチャンでも夕方になると街中はビアラオを飲む庶民で溢れていた。当時は今も一番人気の「ビアラオ・ラガー」だけでした。それが2009までにホワイト、アンバー、ホッピィと新しい3種類が出て、従来のラガー、ダーク、ゴールドの計6種類に増えていたのには驚きでした。
何と今年の正月に世界遺産の街、ルアンプラバンのを訪れて驚きました。2019年11月に新しくIPA(インディアン・ペール・エール)というパンチの効いたホップの香りと苦味を売りにしたものが出て計7種類に増えていました。街のスーパーを訪れると限定販売で現在キャンペーンセール中でした。
ビアラオのおいしさの秘密
ラオスは経済的にはアジアの最貧国の一つですが、ビールの消費量は東南アジアで有数の国として知られていいます。2019年、ビアラオの旨さの秘密を知りたくてビエンチャンの郊外にあるビアラオの工場内にある博物館を訪れました。展示資料によると、ビアラオは1975年に国営工場としてドイツの技術を導入、その後、デンマークのカールスバーグからの資本導入してラオスの合弁企業の代表的な存在となりました。
一番人気の「ビアラオ・ラガー」の旨さの秘密は、森の国ラオスの誇る良質の水とドイツの麦芽、ベルギーのホップとラオスの大地が最高品種のジャスミン米とモチ米のハーモーニーにあることが理解できました。苦味を抑えたスッキリした味の飲みやすさとジャスミン米の香りが特徴。
ラープ(肉類を使ったラオスのサラダの一種)
ビアラオと共に楽しむ料理の定番がお祝いの席に欠かせないラープ(サラダの一種)とタムマークフーン(ハパイヤサラダ)。ラオス料理は素朴で野菜が豊富でヘルシーなのでビアラオに合う。
タムマークフン(パパイヤサラダ)
定番の料理に加えて、ルアンパバーン名物のメコンの川海苔、ソーセージ、魚料理、焼き鳥などがある。
メコン川の畔でのビアラオは格別な味
外国人はビアラオをメコン川の畔で飲むのが大好き。メコン川の岸辺の庶民風のレストランで飲むのが大好きだ。川の流れと行き交う人から車まで載せた大小様々な船を見ながら大河メコンとその源流の中国、流域のタイ、カンボジア、ベトナムへとロマンと思いを寄せる。メコン川の畔でタマリンドと椰子の大樹の木陰で、涼しい川風に吹かれるのが心地よい。悠久のメコン川の流れのように流れるラオスのゆったりとした時間も何よりの癒しだ。
世界遺産の街ルアンパバーンを一望するプーシーの丘からのメコン川に沈む夕日
ビアラオをメコン川の畔で飲む味は格別。そして、そこにメコンに沈む夕日が加わるとビアラオの味は、倍増して至福の一時だ。このためにだけにラオスを訪れる人もいる程だ。世界遺産の街ルアンパバーンでも、首都ビエンチャンでもメコン川沿いの夕陽スポットが沢山あるのは有難い。
メコン川に夕陽が傾きはじめると一刻、一刻と空と川の色が変化して行く。空と川にパレットを広げたように色が刻々と変わる。ビアラオとラオス料理とメコン川の夕陽が合わさるとビアラオが最高に旨い。東南アジアで一番旨いというビアラオの旨さの隠れた秘密は、メコン川と夕陽にあるのではないか、メコンに沈む夕日を見ながらそう思いました。
アジア地域ディレクター
八木沢