混乱が続くミャンマーから ~子どもたちの声~ Vol.3
こんにちは、事業サポート課の松本です。
ミャンマーでは新型コロナウイルスや軍事クーデターの影響を受け小中学校が休校していましたが、6月1日に約1年ぶりに全国の学校が再開されました。しかし、教員が市民不服従運動(CDM)の一環でストライキを続けていたり、治安の悪化により子どもを学校に通わせたくないという保護者が多いことから、全ての子どもたちが学校に戻れるまで時間がかかることが予想されます。
学校へ通えなくなった子どもたちがどのような生活を送り、どのように感じているのか、シリーズでお伝えします。今年の3月に現地職員が子どもたちやその保護者へインタビューを行い、そのインタビュー内容を複数回に分けてお届けします。
休校した1年分の勉強はいつできる?(ナイチーさん、8歳、女の子)
私の名前はナイチー(仮名)で4年生(※)です。学校が休校になって嬉しい気持ちと悲しい気持ちが入り混じっています。嬉しいことは、近所のお友達と遊んだり漫画やテレビを見る時間が増えたことです。悲しいと思うのは、1年間学校に行けずに4年生が終わってしまうことです。
4年生で勉強するはずだった内容はいつ勉強できるのか、とても不安です。お母さんとお父さんはもうすぐ学校が再開するからと言って励ましてくれますが、学校が再開するまで待っている間に1つ学年が上がってしまい、この1年が無駄になってしまうのは嫌です。だから両親に買ってもらった4年生用の教科書を読んで、自分で勉強を続けています。
学校に早く戻りたいけれど、沢山の人々が亡くなっていることにも耐えられません。日本の皆さんもどうか私たちを支えてください。
※2021年3月時点
息子たちの将来はどうなるのか(アヤティーさん、45歳、女性)
私はアヤティー(仮名)といい、シングルマザーで2人の息子を育てています。美容師をして生計を立てていますが、最近はお店に来る人がめっきり減りました。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、息子たちを養い月々のローンも返せるほどの収入がありました。ですが、今の収入は以前の半分以下になり、生活が苦しくなっています。
息子たちの将来についても悩みは尽きません。この1年間学校に通えていないため、この間の学習をどのようにカバーできるのか、また、この1年間の休校や最近の情勢不安が息子たちの将来にどう影響するのか、検討もつかず不安が募るばかりです。
ですが、嘆いてばかりではいられないので、今起きていること、これから起きることに向き合うと心に決めました。一刻も早く平和な日常が戻ることを祈り続けます。
最後に、ミャンマーに心を寄せてくださっている日本の皆さんに感謝いたします。このメッセージが届いた皆さんが、引き続き関心を持ち続けてくださりますように。
若い世代に自分と同じ辛い経験をさせたくない(アウテインさん、27歳、男性)
アウテイン(仮名)といい、運転手として商品を市場へ届ける仕事をしています。2月より前は多くの商人から仕事の依頼が来ており、家族を養い、貯蓄をするほどの収入は稼げていました。しかし、今はほとんどのお店が閉まったため仕事の依頼はなくなり収入もなくなりました。この状況が続くと、生活は立ちゆきません。
私には子どもはいませんが、私自身の生い立ちから学校に通えていない子どもたちをとても心配しています。私は金銭的な事情から高校を卒業することできませんでした。そのことはその後の私の人生を大きく左右し、今でも高校を卒業できなかったことを後悔しています。若い世代には私と同じような経験をしてほしくないと強く願います。
学校がいつ再開されるかわかりませんが(※)、子どもたちを不安定な状況に置くことは避けるべきです。一刻も早く平和が訪れることを皆、望んでいます。日本の皆さんもどうか私たちと共に声を上げてください。
※2021年3月時点