伝統文化を通してミャンマーを知ろう!
軍による弾圧が続くミャンマー。現地ではインターネットの通信規制や銀行の閉鎖など、市民の苦難の生活を強いられています。クラフトエイドの生産者団体も、スタッフが地方へ避難し、また輸送制限により新商品の発送ができないなど厳しい状況が続いています。
今日は、そんなミャンマーのことを考えるきっかけの一つになればと思い、ミャンマーの伝統文化についてご紹介します。
ミャンマーの民族衣装ロンジー
ミャンマーの民族衣装は、ロンジーと呼ばれる巻きスカート。一枚の布の端を縫い合わせて筒状にしたもので、男性用は「パソー」、女性用は「タメイン」と呼ばれています。正装でありながらも普段着として昔から人々に愛用されています。
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ミャンマー事務所のスタッフ
各民族特有のロンジーの模様
ミャンマーは135もの民族が暮らすといわれる多民族国家。ロンジーにも各民族それぞれ特有の模様があります。主要民族であるビルマ族の代表的な柄は、アチェイと呼ばれる波模様です。エーヤワディー川が人々の生活を支えるミャンマーらしい柄です。
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ビルマ族の柄
他にも、ひし型をメインに幾何学模様を組み合わせるカチン族、綿密な織柄が特徴のチン族など、柄が民族のアイデンティティを示すものでもあります。かつては、他民族の柄を身に着けることはありませんでしたが、現代では民族を超えてそれぞれが好む柄が選ばれています。
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カチン族の柄
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チン族の柄
伝統技術タティングレース
ミャンマーが誇る伝統技術の一つ、タティングレース。19世紀から20世紀前半のイギリス統治時代に伝わり、お祈り用のショールを編むため母から娘へ代々継承されてきました。水牛の角でできたシャトルという道具を使って組むように編む、とても繊細な技法ですが、慣れると手元を見なくても編めるため、電力事情が悪いミャンマーでも女性たちの内職として浸透したと言われています。
ロンジー/タティングレースで作られた商品
ロンジーハンカチ
色柄はすべて異なる一点もの。ストライプやチェック柄といった、男性が身に着けるロンジー生地から使いやすい色柄を選びました。
パダウピアス/イヤリング
ミャンマーを代表する花「パダウ」をモチーフにしたアクセサリー。パダウは雨季が訪れる4月に開花するため、農業国ミャンマーでは、恵みの象徴として人々に愛されています。
一日でも早くミャンマーの人々が安心して手仕事に取り組める日が来ることを願っています。