2019.12.02
海外での活動

へき地の小学校でモニタリングを行いました

ラオス

皆様 こんにちは、ラオス事務所の玉利です。

11月に教育・スポーツ省や県・郡教育・スポーツ局職員、教員養成校教官たちと一緒に、ルアンパバーン県ポントン郡の小学校約30校、50数名の教員による授業のモニタリングと教員への実地指導を行いました。ポントン郡の中心はルアンパバーン市から車で6時間強、ベトナムとの国境に近い場所です。モニタリングチームの一つは更にそこから2時間程かかる村に宿泊して周辺の学校を訪問しなければならない状況で、ラオス国内でもかなりへき地の学校といえると思います。

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このモニタリングでは、今年の6月から7月にかけて実施した小学校教員に対する複式授業研修の後、教員の方たちがその時に学んだ複式授業に関する教授法を学校で実践できているかどうかを確認しました。また、授業後には会議を行って先生方と意見交換を行うと共に、教員がより良い授業を行えるよう観察者が助言を行いました。更に、教員の方々にインタビューを行い、本事業で紹介している複式授業の新しい教授法を実際に試してみた上での感想、開発した複式授業運営の手引きに対するコメントを頂きました。

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教員研修の様子はこちらをご覧ください。
https://sva.or.jp/wp/?p=34342

私自身も小学校10校を訪問し、2学年と3学年の複式、様々な科目や学年の組み合わせの授業を観察し、研修の効果に関する状況を知ることができました。その結果、個人差はあるものの、半分以上の教員は新たな取り組みである4段階の学習過程や学年毎の学習過程のずらしを実践できており、このままこの教授法を進めていっても、ラオスで適応できるであろうという感触を得る事ができました。

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その一方、間接指導の時間が長すぎてその大半を児童が遊んでしまっている、1つの学年に時間を費やしすぎてバランスが悪い、児童に考えさせる課題提示が不十分、などの課題も散見されました。これらの課題については、教員の方々が今回の助言や来年もう一度実施する教員研修を通し、改善に向けて努力して頂ければと思います。

また、教室は余っているにも関わらず30人を超える大人数で3学年の複式授業を行っている、ボランティア教員のため副業で授業準備の時間が十分にとれない、黒板が2学年に1つしかなく板書スペースが限られる、など指導環境の問題から効果的な授業が実施できていないケースもありました。これらの点については、教育省・局の方々にも伺いましたが、教員数を増やす予算も限られており、暫くこの状況で行うしかないとの事です。

まだまだ、ラオスのへき地における教育事情は厳しいものがありますが、少しでも子どもたちが良い授業を受け、彼らの教育レベルが向上する事を願っています。

*この事業は国際協力機構(JICA)の草の根技術協力で実施しています。

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