カンボジア、コロナ禍での学校建設
チョムリアップスオ!カンボジア事務所の山内です。
カンボジアでは3月中旬頃から教育施設は閉鎖しており、その状況はまだまだ続いています。そんな中、カンボジア事務所では今年も皆様からご支援を頂いて、小学校の新校舎建設を行っています。今回はコロナ禍での学校建設の様子を、お伝えしたいと思います。
新校舎建設中です!
内戦以降の1990年代、カンボジアでは避難先から帰還した子ども達に向けた一時的な校舎として主に木造校舎を建設してきました。現在、当時の校舎が老朽化してしまい、校舎の建て替えや新校舎の建設が必要になっています。学校を取り巻く様々な課題に対応するために、カンボジア事務所では長年学校建設を進めています。
木造校舎の一例です。老朽化してしまった現在は教室の壁に穴が開いてしまっています。
学校建設を進める上で大切にしているのは、学校運営委員会や地域住民の建設への参加になります。具体的には建設の基礎となる土盛りに参加してもらうことや、建設の状況を一緒に確認してもらうことなどです。そして、どこに新校舎を建てるか、学校の環境を将来どのようにしていきたいかといった計画を分かりやすく図にした「学校敷地計画図」というのを建設前に関係者全員で作成するようにしています。
学校敷地計画図を作成している様子。今年はコロナの状況が悪化する前に関係者が集まり作成できました。
今年は学校敷地計画図が完成し、建設が始まった辺りからカンボジア国内でコロナ感染拡大が広まり、普段は建設現場に行って状況を確認する事務所職員が立ち入れなくなってしまいました。代わりに電話やSNSを使用しながら、学校運営委員会や教員と連絡を取って状況を確認するようにしています。
状況を確認する中で、困難な状況であっても学校運営委員会や住民が新校舎建設に向けて積極的に動いていることが分かりました。学校敷地計画図を作成した後、将来学校をどのようにしていきたいかという目標が明確になったため、学校運営委員会は計画を伝えながら、保護者を中心に将来の学校のための寄付を呼びかけ、一定の寄付を集めることができていました。目標が明確になっていたことで、コロナ禍で家計が少し厳しくても寄付活動に納得してもらえたそうです。
カンボジア事務所で学校建設を担当するサイハ職員からは「通常なら学校に行き、状況を細かく見て関係者と話し合うことができますが、今は中々できません。その代わり学校運営委員会や教員を中心とした関係者と日々連絡を取って、建設状況写真などを送ってもらっています。いつもより状況確認に時間がかかってしまっていますが、遠隔コミュニケーションを密にするよう心がけています。」とコメントがありました。普段とは異なる状況ですが、その中でできる限りの工夫をシャンティ職員も重ねています。
コロナの状況が落ち着き、学校が再開した後に、新校舎で学ぶ子ども達の反応を早く見てみたいと思います。
カンボジア事務所 山内