2021.09.30
海外での活動

カンボジアのお盆「プチュンバン」の過ごし方

カンボジア

チョムリアップスオ(こんにちは)!カンボジア事務所の山内です。
カンボジアでは今年は10月5日~7日が祝日で、9月下旬からこの祝日を含む15日間が「プチュンバン」という、日本で言うとお盆の時期になります。通常はこの期間に仏教徒の方はお寺に通うそうですが、コロナ禍の今、人が集まることによる感染拡大の懸念からお寺での儀式を停止するとの決定がカンボジア政府からありました。国民の約90%以上が仏教徒と言われるカンボジアで、通常どのようにプチュンバンを過ごしているのか、そしてコロナ禍ではどのように過ごすことになるのか聞いてみました。

通常時のプチュンバンの過ごし方

仏教徒のカンボジア人にとって、プチュンバンの15日間は正月に匹敵するほど大切な時期です。先祖を偲ぶ時となり、先祖の魂を迎えるための食べ物を供えに、儀式をしているお寺を訪れます。地元に帰省してお寺に行くことも多く、多くの町や村で儀式が行われています。先祖の魂に自分に会いに来てもらうためには、この期間に少なくとも7ヶ所のお寺へお参りすることが必要になります。また、最後の3日間は祝日となるため、この期間に特別な料理を作ることが多いのだそうです。
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実際のお寺の様子(約5年前に撮影)

お寺での儀式は早朝の4時頃から始まり、ご先祖様が食べやすいようにと、供える食べ物は小さくまるめたもち米などになります。この供えた食べ物を昼食に僧侶が口にすることで、先祖もその食べ物を食べたことと同じになるという言い伝えもあります。お寺に行く時は、多くの人が白い服を着て行きます。

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お寺の敷地内でこのように集まってゲームをすることもあるそうです(こちらも約5年前に撮影)。このゲームに参加して風船を割れた人はちょっとした景品をもらっていたのだとか。

コロナ禍のプチュンバンの過ごし方

今年のプチュンバンの始まりの時、人がお寺に集まったためにコロナ感染者が増えてしまったことを受け、先日カンボジア政府は今後お寺でのプチュンバンの儀式を停止することを決定しました。但し祝日を別日に移動させることはせず、祝日はそのままお休みとなります。また、お寺に供えられる食べ物が減る形になるので、必要な物の補助ができるよう地方行政が中心となり調整していくことになるそうです。いつもとは違うコロナ禍のプチュンバンをどのように過ごす予定なのかカンボジア事務所職員に聞いてみたところ、、
・お寺に少人数で行き、食べ物だけ置いて帰る。(お寺の入り口にテーブルを設置し、食べ物を供えることができるようにしている所があるようです)
・両親の家に行き、少しだけ一緒に時間を過ごす。(両親や親族に少額のお金を渡すこともあるそうで、これは通常時と同じ習慣だとのこと)
とのことでした。できる範囲で故人を偲ぶ時間となりそうです。

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バッタンバン中心地にあるお寺も静かな様子でした。

にぎやかな様子が見られないことは残念ですが、この機会にゆっくりとした時間を過ごしてみたいと思います。皆さんも引き続きお気をつけてお過ごしください。

カンボジア事務所 山内