コロナ禍でのミャンマー ~試行錯誤での事業実施~
ミャンマー事務所の市川です。
コロナ感染者が爆発的に増加のミャンマー
ミャンマーでは、5~8月中旬の間、帰国者を除きミャンマー国内での市中感染者は皆無でした。ところが、8月下旬からヤンゴンを中心に感染者が急増し、10月19日現在、感染者は36,025名となり、8月末と比べて、36倍増になっています。最大都市ヤンゴンでは44タウンシップ間で移動制限し、セミロックダウン状態になっています。
ミャンマー保健スポーツ省のコロナ感染者のホームページ
学校も再び閉鎖へ
7月下旬に高校は再開しましたが、感染拡大によって8月下旬に再び休校となりました。当初は、高校の再開後、その状況を見ながら、小・中学校を徐々に再開する予定でしたが、結局は、再開されないまま、今に至っています。ミャンマーの新学期は6月からであり、小・中学生は、新学期になって一度も登校していません。教育省としては、テレビやラジオで学習内容を放映しますが、学習する機会が限定されており、危機的な状況とも言えます。日本では一時期9月始業式案が浮上しましたが、ミャンマーでは、子どもたちの教育をどうするのか、いまだに公式な発表もなく方向性も見出せません。
アパートごとロックダウン、しかし、助け合いのネットワーク
「市川さん、居住するアパートから感染者が出て、2週間、外出できなくなりました」と、ヤンゴンに住む、ミャンマー人の友人から一報が入りました。ミャンマーでは、一名でも感染者が出るとホテルやアパート全体で、居住者全員の外出を禁止する措置が取られます(ただし、10月から一部緩和)。写真を送ってくれましたが、黄色のひもで入り口を封鎖され、出入りは禁止です。しかし、周りの住民が交代で、食事の差入れ、食料や生活必需品の提供もあり、使えきれないほど、物資を提供いただいたとのこと。大都市であっても、ミャンマーにおける人々の助け合いによる、セーフティネットは素晴らしいと思いました。
厳しさの中から、次のステップへ
制約はありますが、当会スタッフも、学校の先生、公共図書館員と協力しながらも、地道に取り組みを行っています。先日、コロナ感染急増により、先生を対象とした学校図書館推進のためのワークショップが急きょ延期となりました。対面での実施から、オンラインで動画教材に切り替えて、facebookやYouTubeにアップして、それを配信して研修を受けていただく方法に切り替えました。ミャンマーでは、インターネット普及率が41%(2019年)ですが、スマートフォンの普及率は126%で、9年前の2%から急増。先生方には、スマホで動画見ながら、受講する方式で受講いただきました。
学校が一日も早く再開して、子どもたちが当会の学校図書館で、読書やよみきかせを楽しめる日がやってくる日を信じて、準備を進めてまいります。