ミャンマーの外と中が繋がった図書館研修
ミンガラーバー(ミャンマー語で「こんにちは」)
今回は、先週行われたピー県での図書館研修の様子をお伝えします。
今回の研修のトレイナーは、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの所長代行のセイラー。
(子どもとの距離を縮めるアイスブレイクの技を紹介するセイラー)
シャンティのfacebookページでセイラーがミャンマーに来ていることはお伝えしておりましたが、
15年以上の図書館活動の経験がある彼女がはるばる国境を越えてミャンマーの図書館研修にきてくださりました。
3日間の研修は盛りだくさんでした。
まずは、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプでの活動の紹介。
15年以上の歴史があるキャンプでの図書館活動の様子に、図書館員は興味深く話を聞いていました。
また知ってはいるけれども、いまだに難民がいるということを実感を持って理解できたようです。
このセッションではキャンプでの難民の様子や現況、図書館活動について多くの質問が飛び出しました。
次は、パネルシアターのセッション。
ピー県では新しく「北風と太陽」「三匹のくま」「これ、なあに?」を紹介。
セイラーの実演に始まり、ピー県6館の各図書館員に実際にパネルシアターで使用する道具を作成してもらいました。
その後実際に皆の前で実演。これから練習でもっと子どもたちを惹きつけるような実演をしていきたいと話していましたが、今後の図書館の児童サービスで積極的に利用していきたいという声が聞かれました。
図書館員はセイラーと図書館員の実演を楽しんでいました。
次の活動は、絵本作り。
セイラーが、身の回りの色紙や厚紙のような簡単なモノを使って、絵本を作成できることを紹介。
作成中の図書館員の顔は真剣そのものです。
今回は有名な「はらぺこあおむし」の最後のシーンであおむしが蝶々になったあとの続きのお話を考えてもらいました。
各図書館員に自分で創造したお話を発表してもらいましたが、どの話も創造性に富んでいて聞いていて楽しかったのを覚えています。
普段は事務所業務で決して創造性を発揮できるとはいえないミャンマーの公共図書館の図書館員ですが、上のような素敵な絵本を作成した図書館員の方もいらっしゃいました。
図書館員の振り返りの中には、今後この絵本作りを是非子どもたちにも教えたいという声もあり、
今後の図書館員の工夫に期待が持てそうです。
ピー県で始まった公共図書館の児童サービスの支援は三年目に突入しました。
今後、児童サービスの利用者を増やしていくことと同時に、サービスの質を上げていくことも必要です。
今回、キャンプでの知見や図書館活動の技術をミャンマーでも応用できることが分かりました。
またセイラーの研修で図書館員同様、ミャンマー事務所の職員も多くのことを学びました。
研修を研修だけの知識や技術で終わらせないように、セイラーが蒔いた種をミャンマー事務所で大切に育てていきたいと思いました。
最後はお決まりの記念撮影とセイラーへの歌のプレゼント。(写真右はテゴン郡の図書館員)
ミャンマー事務所
山田
※本図書館研修は外務省日本NGO草の根無償資金協力事業の一環として実施しています。