ミャンマーの紙芝居が「手づくり紙芝居コンクール」で入賞しました!
12月7日は何の日かご存じですか?
2017年、紙芝居文化の会(IKAJA)が創立日である12月7日を「世界KAMISHIBAIの日」と定めました。そんな「紙芝居の日」に、私たちシャンティの紙芝居についてご報告させていただきます。
11月25日に開催された紙芝居文化推進協議会主催「第19回 手づくり紙芝居コンクール」にて、シャンティのミャンマー事務所で制作・出版した紙芝居「Mr.ZERO(ミスターゼロ)」が、一般の部で優秀賞を受賞いたしました。
「君は存在する意味なんてないよ」
ある日お散歩をしていたら、ミスターゼロはミスターワンに「君はゼロだから存在する意味なんてないよ」と言われてしまいました。
…このような出だしで手作り紙芝居「Mr.ZERO(ミスターゼロ)」は始まります。
「Mr.ZERO(ミスターゼロ)」は、数字として価値がないと周りから言われ、落ち込んでいた主人公ミスターゼロ(0)がミスターテン(10)と出会い、自分がいることで生まれる価値があることに気づかされる作品です。ミスターゼロは物語の中で、みんながそれぞれ違い、自分にも立派な役割があることを理解し、ミャンマーの詩に合わせ歌い踊り、喜びを表現します。それぞれの価値を見出す意味や、算数を学び始める子どもたちの教材としても良い、との選評をいただきました。作者のマー・サンダーさんは70代の女性で、普段は大人向けの小説を書いている方です。
2014年からはじまったミャンマーでの紙芝居づくり
事の経緯は、この4年間、シャンティ・ミャンマー事務所で行っている児童図書出版研修から始まりました。2018年の研修で、紙芝居・絵本・造形作家でもある、やべ みつのり先生にアドバイスをいただきながら、現地の皆さんに紙芝居づくりを体験、子どもたちの前で実演をしてもらいました。
(その際の詳しい様子はこちら)
https://sva.or.jp/wp/?p=29397
この研修で15作品のうち5作品を「第19回 手づくり紙芝居コンクール」に応募したところ、嬉しいことに「Mr.ZERO(ミスターゼロ)」が入賞を果たしました。受賞を受け、11月25日のコンクール当日、東京事務所のスタッフが紙芝居を代演してきました。
受賞した紙芝居を実演
演じ方により、作品はさらに輝きます。読みかたはもちろん、間の取りかた、紙を揺らす、また引きかたによって躍動感も生まれます。審査はジュニア、一般の部の2部構成で、立派な会場はたくさんのお客さまでいっぱいです。関係者、運営ボランティアの方たちが手編みの表彰メダルを胸につけてくださり、緊張している私たちを 温かく迎え入れてくれました。
午前のジュニアの部実演、午後の部のリハーサル、 お昼休みをはさんだ後、「Mr.ZERO(ミスターゼロ)」は 一般の部入賞7作品のトリを務めました! 実際にミャンマーでシャンティが使用している木製の舞台で演じたのが好評でした。
惜しくもさらなる入賞は逃しましたが、実演前と表彰式では、シャンティのミャンマーでの活動についてもご紹介することができました。来場者の皆さまのなかにも興味を持ち、声を掛けてくださった方が多くいらっしゃいました。また、会場では応募したすべての作品を展示していただき、他のミャンマーで作った4作品も手に取りご覧いただきました。
ジュニア、一般の部のすべての作品の美しさ、面白さ、演じ方の工夫など、何と素晴らしいこと!もしも紙芝居に触れる機会があれば、じっくりとご覧いただき、時には演じてみることをお勧めします!
日本独自の文化である紙芝居が世界のKAMISHIBAIに
最後になりましたが、 長い歴史を持つ、日本独特の文化である紙芝居を守り語り継ぎ、新たな作品が生まれる機会を作り続けている紙芝居文化推進協議会の皆さまに改めて感謝申し上げます。
ミャンマーに蒔かれた紙芝居の種が、今後も成長していくように大切に育てていきたいです。
以上、今回で第19回を迎えた「手づくり紙芝居コンクール」入賞についてご報告させていただきました。最後までお読みくださり、ありがとうございます。
報告
シャンティ国際ボランティア会
事業サポート課 栗原、小長谷