ラオス人の生活に欠かせない飲み物「ビアラオ(Beer Lao)」とは⁉
こんにちは/サバイディー(ラオス語で“こんにちは”の意味)。
5月8日からラオスのルアンパバーン事務所にて勤務していますインターンの木村です。これから約11か月間の期間、多くのことを学び、活動に貢献していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ルアンパバーンは、ラオス北部に位置する小さな街です。14世紀半ばに現在のラオスの前身となる「ラーンサーン王国」が誕生したこの地では、街全体にラオス王朝の雰囲気が漂うとともに、フランス植民地時代の面影を残した建物も点在しており、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録された「世界遺産の街」でもあります。メコン川とナムカン川に挟まれた街の中心部は全長2kmほどしかないため、気軽に歩きながら、ゆったりとした古都の雰囲気を感じることができます。
丘から臨むルアンパバーンの街並み
さて、赴任して1週間と少しが経ったところですが、今回はラオスでの生活を始めた中で、私が面白いと感じたある飲み物について紹介したいと思います。
皆さんは、ラオス人の生活に欠かせない飲み物「ビアラオ(Beer Lao)」をご存じでしょうか? 飲んだことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、ビアラオは東南アジアでも随一の評判を誇るビールで、一時期には国内シェア99%にもなったことがあるそうです。今でもシェア90%以上をキープしており、ラオス人は男性も女性もビアラオが大好きな人が多いです。
ビアラオ
ビアラオはどんな味?
ビアラオの特徴はその原材料です。一般的なビールの原材料である麦芽やホップのほか、独特の香ばしい香りを持つお米「ジャスミン米」が使われているそうです。そのため、飲み口はさっぱりとしながらも、コクと香ばしさのあるとても飲みやすい味です。ラオス料理には香辛料や香草などを使った辛味や香りのある料理が多いのですが、そんなラオス料理ともよく合います!
ラオス料理によく合うビアラオ
ラオス流の飲み方
ラオスの人々がビアラオを飲むときは、だいたい泡を立てずにグラスに注ぎ、氷を入れて飲みます。その理由を事務所のラオス人スタッフに聞いたところ、答えはシンプル。そのほうがおいしく感じられるからだとか。 この飲み方でビアラオをいただいたときには、初めこそ違和感がありましたが、ラオスの気候や食事にもぴったりな飲み方で、私はすぐに気に入りました。また、氷が入っているためか、二日酔いにもなりにくいような気もします(あくまで個人的見解です)。
ラオス人はビールの減り具合を〇〇で示す⁉
さて、このようにビアラオが大好きなラオス人ですが、グラスに入ったビールの量の例え方にも特徴があります。 それは、ラオスの各県名で示すのです。例えば、相手のグラスに注がれたビールの減り具合が少ないとき、北部にある県に例え、「君はまだルアンナムター(ラオス最北端の県)にいるじゃないか」と言ったり、反対にたくさん飲んでほしいときには南部の県に例え、「早くアッタプー(ラオス最南端の県)まで来てね!」と言ったりするのです。南北に長いラオスならではの例え方ですね。
人が集まるところにビールあり
飲み会やお祝いごと、宗教的な儀式など、多くの人が集まる場にもビールは欠かせないようです。会場にはケースに入ったビールが大量に用意され、人々は乾杯を交わしながら、何時間も飲み続けます。ラオスのビールがすっきりした飲み口だったり、氷を入れて少し薄くして飲んだりするのは、いつまでも飲み続けられるようにするためかもしれません。
また、この習慣はへき地にも存在するようで、先日、ルアンパバーンの街から2時間ほどかかるフエイクンという村を訪れた際にも、村の方が料理やビールでおもてなしをしてくださいました。客人が来た時には、一緒に食事やビールを楽しみ、もてなすのがラオス流のようです。
今回はビアラオのことばかり書き連ねてしまいましたが、このように、ビールとの関わりからもラオス人の国民性を少し垣間見ることができ、思わず嬉しくなったのでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。これからも活動内容や生活のことなどについて時々ブログを書かせていただきますので、お付き合いいただければ幸いです。
木村沙弥香(ラオス事務所インターン)