只今、教材活用のための研修会を実施中!
日本は寒波に覆われているようですが、ラオス北部も短い冬を迎えています。
暖房器具のないラオスでは、あちらこちらで焚き火で暖をとっている姿を見ます。
今週は、そんな寒い中で、教材活用についての研修会を行なっています。
本研修では、昨年9月にトレーニングを受けた郡教育スポーツ事務所の職員が講師となり、県教育局職員や教員養成学校の教官が指導官としてシャンティ職員と共にフォローする形で進めています。これは、シャンティがいなくなった後の持続性、自立性を考えているからです。
↓トレーニングについては、過去のブログ記事もご覧ください。
https://sva.or.jp/wp/?p=20256
本件集で対象とする「教材」は3種類。
1)ラオス語のフラッシュカード ※過去の関連ブログ記事はコチラからご参照頂けます。
2)絵本や紙芝居などの読書教材 ※過去の関連ブログ記事はコチラからご参照頂けます。
3)手作り補助教材(100玉そろばん、算数カード)
1日目は、ラオス語のフラッシュカードについて。
昨年シャンティが作成したフラッシュカードは、母音、子音、1単語で成る言葉、2単語で成る言葉、動作、数字の、合計6種類で構成されています。
これらのカードの基本的な使い方を一緒に学んだ後、複式学級の授業でどのように活用するのかを考えて発表してもらいました。
あるグループの発表をご紹介します。
3年生と4年生の複式学級における国語(ラオス語)の授業で3年生はレッスンNo.19(歯磨きに関する文章が記載)、4年生はレッスンNo.5(縄跳びに関する文章が記載)を同時に教えると想定したときの授業案(一部)
◆3年生(直接授業)
カードの文字を隠して絵だけを見せる:「何をしているところですか?」
文字を見せて、ラオス語の文字を学ぶ:「歯を磨く(トゥーケオ)」を書いてみましょう」
単語の構成を学ぶ:「いくつの単語で成り立っていますか?」「この単語だけで完全な意味として成立しますか?」
◆4年生(間接授業)
3年生のクラスに行く前に、カードと課題を児童に与える。
課題
・ラオス語の単語を綺麗に書く練習
・いくつの単語で成り立っているかをノートに書く
・テン(飛ぶ)だけで完全な意味のラオス語として成立するかを考える
・テンスアッ(縄跳びをする)は完全な意味のラオス語かを考える
教員が戻った後に、答え合わせをする。
教員が発表した後、トレーナーが赤ペンを入れます。
「もう少し課題の種類を増やしたほうがいい」
「児童にはもっとわかりやすく課題を出さなければいけない」
「授業案の書き方が間違っている」
など、色々な指摘が出てきます。
こうやって参加者全員で練習しあうことで、良いものになっていきます。最終日には、一部ではなく1単元まるごとの授業案を書いて発表しますが、どんな授業案が作られるのか、楽しみです。
ラオス語を母語としない少数民族の児童を、複式学級で教える教員たちは授業のマネジメントに難しさを感じています。質の良い授業をするのは彼らにとってはチャレンジです。教科書を使うだけではない魅力的な授業を作り、良い教育が子どもに届くようにと頑張る教員の方々を引き続き支えていきたいと改めて思いました。
*本事業は、JICA草の根技術協力事業を通じて実施しています。
ラオス事務所 山室仁子