2017.01.31
海外での活動

新しい学校が完成しました! ~寺院学校が竣工式を迎えます~

ミャンマー

ミャンマー、ピー事務所からミンガラーバー!

日本は一番寒さの厳しい季節を迎えていることと思います。

こちらミャンマーも同じ北半球ですが、長く激しい雨季から乾季に移り、11月頃から“涼季”と呼ばれる一年で最も過ごしやすい季節が続いています。しかしこの涼しい季節ももう少し、来月に入ればまた気温がグングンと上がり始め、4月の“水かけ祭り”と“ビルマ新年”の頃には、年間の暑さの頂点に達します。

ミャンマー旅行を楽しまれるならば、次の雨季(6月頃)、雨が降り出す前の、乾季の間がお勧めかもしれません。ミャンマー人も“激暑”と呼ぶ強烈な暑さも同時に体験できます!

木にぶらさがったこのビンはなんでしょう?乾季の名物”スカイビアー”=ヤシ酒です。このビンは『ヤシ酒あります』の目じるし、奥に見える机と椅子のオープンエアバーです

木にぶらさがったこのビンはなんでしょう?乾季の名物”スカイビアー”=ヤシ酒です。このビンは『ヤシ酒あります』の目じるし、奥に見える机と椅子のオープンエアバーです

ミャンマーで取れた煎りピーナッツはヤシ酒に良く合います!

ミャンマーで取れた煎りピーナッツはヤシ酒に良く合います!

ミャンマーで実施中の寺院学校建設事業、2016年度にご支援いただきました3学校で、新校舎が完成しました。
3校の建設事業は、それぞれ日本の企業グループの皆さまからのご支援により、実施できました。公立学校に比べて経済的に厳しい状況にあると言われている子どもたちが通うミャンマーの寺院学校、無償で教育を受けられる場所として、歴史的にミャンマーにおける初等教育の重要な役割を担ってきました。寺院学校の運営費用は、基本的に人々から寺院(僧院)への寄付で賄われており(近年、教師の給与等に政府から少額の補助が出るようになりましたが)、そのため、校舎のような多額の費用がかかるものには、寄付金を集めることも非常に困難です。その結果、子どもたちは老朽化した建物内で、または、時には屋外で、学ばざるを得ないという状況にあります。

簡素な素材で作られた寺院学校の校舎

簡素な素材で作られた寺院学校の校舎

このような状況の中、寺院学校で学ぶミャンマーの子どもたちが、より適切な環境で学べるようにと、ミャンマー事務所では毎年3~4校に寺院学校建設事業を進めています。本事業のために日本からご支援くださる皆さまに対して、こちらの人々の多くから、「日本の方々が、遠くから私たちのことを考えてくださること自体が、最初は夢のようでした。更に、私たちの子どもたちのために、このように大きな助けをしてくださり、感謝のきもちでいっぱいです。本当にありがたいことです」という言葉が、工事中に現場の学校を訪れる度に伝えられました。

校舎が完成した日の、地域の女性グループの方々。皆が熱心に事業に参加しました。

校舎が完成した日の、地域の女性グループの方々。皆が熱心に事業に参加しました。

この度完成した新校舎は1教室ずつ独立した部屋で、つまり部屋の壁(仕切り)のある建物です。日本の学校では、1クラス毎、部屋が独立しているのは当たり前のことですが、ミャンマーの寺院学校では、校舎として使う建物の中は壁(仕切り)が無いことが多く、同じスペースの中で、全学年が散らばりながら学んでいます。そのため、建物の中で、複数のクラスの授業の声が混ざり合い、それらが反響して非常にうるさくなります。教師も生徒も、その中で授業に集中することは困難です。また、新校舎には、教室の仕切りに加えて、新校舎には適切な大きさと数の窓と扉も取り付けました。その結果、従来の校舎に比べて、採光の点でも大きく改善されました。

大きな窓を取り付けて採光を良くしました

大きな窓を取り付けて採光を良くしました

ドアも頑丈に取り付けます

ドアも頑丈に取り付けます

現在の校舎では、室内の音が騒がしいため、先生の周りに集まって授業をしているクラスの様子

現在の校舎では、室内の音が騒がしいため、先生の周りに集まって授業をしているクラスの様子

この寺院学校建設事業の特長として、建設会社だけではなく、学校長(僧院長)や学校建設委員会、そして地域の住民が、皆で、建設事業に協力、参加したことが挙げられます。建設予定地の地ならしやレンガ作りから、校舎のペンキの色の相談まで、学校関係者と地域の人々が、子どもたちのためにどんな校舎にしたいか、常に建設会社と協議し、工事に協力する姿が見られました。一方で、工事を担当した建設会社からも、ミャンマーの人々の生活および心の拠り所である僧院が運営する寺院学校のために、事業契約には無かった追加の工事を会社の資金で行うなどの協力がありました。

僧侶、教師、学校建設委員会(地域住民)、建設会社が、常に現場で協議を重ね、そして工事の進捗を見守りました

僧侶、教師、学校建設委員会(地域住民)、建設会社が、常に現場で協議を重ね、そして工事の進捗を見守りました

完成した寺院学校の校舎は、2月に日本からのご支援者をお迎えして行われる竣工式を待つばかりです。現在、現地では竣工式を間近に控え、その準備に皆で忙しい毎日です。日本からいらしてくださるご支援者の皆さまにお会いすることを、皆が心待ちにしています!

そして、新しい校舎で勉強できることを、誰よりも、子どもたち自身が、一番楽しみにしています。

完成した校舎、竣工式を待つばかりです!

完成した校舎、竣工式を待つばかりです!

完成した校舎の前で、校長先生と一年生が記念撮影

完成した校舎の前で、校長先生と一年生が記念撮影

(ミャンマー事務所 阪口)