2019.12.04
海外での活動

図書館と本の持つ力

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

こんにちは。ミャンマー国境支援事業事務所の山内です。
12月は「寄付月間」ということで、私もオンライン寄付サイト「Give one(ギブワン)」での寄付キャンペーンに参加させてもらうことになりました!

GiveOne E-チャレンジ

2019年12月3日~2020年1月16日までの期間中、オンライン寄付サイト「Give one(ギブワン)」を通してオンラインでご寄付いただききますと、azbilみつばち倶楽部様のご協力により、寄付額の1.5倍の金額が弊会に寄付される仕組みとなっています。詳しくはGive Oneのプロジェクトページをご確認ください。

オンライン寄付サイト「タイ・ミャンマー国境の難民キャンプの図書館を続けたい」

この寄付キャンペーンに参加するにあたり、難民キャンプで図書館を続ける必要性について改めて考えることができました。今回は図書館と本の持つ力について、改めてご紹介したいと思います。

この本は大切なものはお金ではなく、愛であることを教えてくれました

図書館の利用者の方に定期的に好きな本やその理由を聞いているのですが、その中で印象的に残っている感想です。この言葉はメラ難民キャンプで図書館を利用しているノー・ゴ・プロ・ムーさん14歳の言葉です。

IMG_8701

彼女が好きな本と教えてくれたのは、2011年にシャンティが出版した絵本「お月さまが見ている」で、おはなしとしては仲の良かった友人をお金を理由に殺してしまう、殺される前に友人は家族への愛をお月さまに語っていた。殺したことを隠そうと生活をしていたが、最後にその罪はばれてしまう。という内容です。この絵本がノー・ゴ・プロ・ムーさんに人として大切なことを教えてくれています。一冊の本の持つ力を感じた瞬間でした。

個人的な印象ですが、絵本が図書館に配架される、それだけで子どもたちが本を読むようにはならないと感じています。子どもたちが本が好きになる秘密は図書館での読み聞かせにもあるのではと思っています。

図書館での読み聞かせ

図書館での読み聞かせはただ本を読むだけではなく、おはなしに興味を持ってもらうよう伝え方を工夫しています。例えば、以前のブログでご紹介した絵本「あなたにできることは」の読み聞かせの様子をご紹介します。読み聞かせを見せてくれたのは、シラ職員です。新しい本が図書館に入る時には、図書館員の人への説明の意味を込め、職員が読み聞かせを披露する時があります。
IMG_1110
この本は「あなたには何ができますか?」という動物たちへの問いかけから始まります。ですが、本を開いた後にシラ職員から飛び出した言葉は「この動物の名前分かる人、名前を言ってみて!」でした。すると、子どもたちが次々に動物の名前を叫んでいきます。
更に「じゃあ、この動物は英語で何て言うでしょう。言ってみて!」とシラ職員からの問いかけが続きます。子どもたちはまた名前を叫んでいきます。

IMG_1117
みるみる笑顔になっていく子どもたち

こうした子どもたちの楽しそうな声が図書館から出てくると、声を聞きつけた子どもがどんどん図書館に入っていき、読み聞かせに参加していきます。

IMG_1108
読み聞かせ中、図書館に入ってくる子どもたち
(ちなみに、図書館のドアに描かれているツルの絵が写り込んでいます)

このように、子どもたちをおはなしの世界の中に入り込ませる工夫が図書館にはあります。

閉鎖的な難民キャンプでの生活を続ける子どもたちは、図書館で本を好きになって、新しい世界を知ります。図書館によって、子どもたちが変わっていくことを周りの大人も見ており、大人も図書館が必要だと認識する様になっています。図書館の運営を支える図書館管理委員会の大人たちからは、「図書館はずっとそばにいて欲しい」「将来私たちがミャンマー側へ帰還する時に図書館も一緒に来て欲しい」といった声が上がっています。

図書館と本の力の大切さ、そして難民キャンプに暮らす人たちがそれを知って、図書館を続けて欲しいと願っていること。これが、私が難民キャンプで図書館を続けたいと思う理由なのだなと感じています。

現地の思いをご理解して下さり、応援して下さる皆様いつも本当にありがとうございます。期間限定で新たな試みを始めていますが、こちらも応援の程よろしくお願いします。

ミャンマー国境支援事業事務所 山内

2020年1月16日まで寄付キャンペーン実施中!

シャンティ国際ボランティア会は「azbilみつばち倶楽部杯 E-ファンドレイジング・チャレンジ」に参加しています。期間中にオンライン寄付サイト「Give One (ギブワン)」を通じて、オンライン寄付(クレジットカード、ジャパンネット銀行振込、ペイジー)を利用してご寄付いただくと、寄付金額の1.5倍がミャンマー(ビルマ)難民キャンプへの寄付となります。

GiveOne E-チャレンジ

期間:2019年12月3日(火)~2020年1月16日(木)まで
目標:30万円

対象プロジェクト「タイ・ミャンマー国境の難民キャンプの図書館を続けたい

目標金額の達成と、難民キャンプの図書館継続のため、ぜひ皆さまの応援をいただけると幸いです。