子どもたちのラオス語習得のために
サバイディー(こんにちは)
ラオス事務所研修生の法政大学3年梅﨑真紗代です。1か月の研修のうち半分の2週間が過ぎ研修後半に入りました。
3週目の今週は事業対象地であるルアンパバーン県ヴィエンカム郡に行き、移動図書館活動や複式学級の運営管理に同行させていただいています。ここでは移動図書館活動の様子を紹介していきたいと思います。
移動図書館活動では、学年ごとに適した絵本を分け、30分間子どもたちに自由に絵本を読んでもらい、その後読み聞かせを行います。今回実際に視察に行き、少数民族の方々でも民族によってラオス語の習得度に大きな差があることがわかりました。
カム族の子どもたちはラオス語を理解し、話すことはできますが低学年だと文字をあまり読むことができません。ですが、話しことばとしては理解しているため低学年の子どもたちは文字をじっと見つめて理解しようとしたり、先生の読み聞かせに続いて自分たちも懸命に話そうとしていました。高学年の子どもたちはある程度文字が読めるようになってきているため文字を声に出しながら絵本を読んでいました。
対してモン族はラオス語に馴染みがなく、子どもたちはほとんど理解ができないので、移動図書館活動でも子どもたちは絵本を手に取るものの、文字を見ずただパラパラと絵だけを見ている子どもたちが多い印象を受けました。
しかし、そのような子どもたちも移動図書館活動が実施されるようになるまでは本に触れる機会がありませんでした。文字が読めなくても、絵を眺めるだけでも本に触れるようになったことがこの先の言葉の習得に向けて大きな一歩になります。また、先生の話を集中して真剣に聞くようになったり、学校にも早く来る子どもたちが増えたそうです。
(自由読書の時間)
活動実施後は今回の移動図書館活動のやり方に対し、シャンティと郡教育局の職員の方が先生方にアドバイスと前回までの活動で実施したことを覚えているか確認をしていきます。支援する側とされる側という関係ではなく、学校側も状況の改善のために主体的に動けるようにとの願いからです。
その中でファイゴーンという学校は特に本の管理がきちんとされていて、絵本貸出時のルールを教室に貼るなど独自の工夫をしていました。学校によってはまだまだ管理が曖昧であったり、一部の先生しか手順を覚えていないなど問題点もありますが、このような学校が増えていくと先生方の質や、子どもの学力向上、保護者の教育への理解に繋がっていくと思いました。
ヴィエンカム郡の学校は多くが支援の手の届きにくい僻地に位置しています。実際に今回訪問した学校へ行くのも舗装されていないガタガタした道を通り、車一台通るのがやっとで崖のような道、時には車で川を突っ切ることもありました。先ほど書いたファイゴーン小学校で校長先生にお話を伺ったところ、普段は学校に行くことができる子も収穫期の11月~12月には家の手伝いで学校を休まざるを得ないことがあり、人数が少なくやるべき単元が予定通りに終わらない、保護者が先生に学校を休ませてくださいと頼みに来ることがあり大変だとおっしゃっていました。また、郡教育局は改善点が多い学校をから優先的に視察に行くためなかなか来てくれないが、NGOがいると教育局も一緒に来てくれるのでありがたいとのお言葉をいただきました。
私たちが日本で受けてきた教育がいかに恵まれていたものであったのか。実際に現場を視察し、教育を受けられることにもっと感謝し、勉学に励まなければならないと思いました。
(舗装されていないガタガタした道)
(車で浅瀬の川を渡りました)
あと少し、短い期間ですが多くのことを肌で感じ、学んでいけたらと思います。
ラオス事務所 研修生
梅﨑 真紗代
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