絵本は未来への第一歩
サバイディー(ラオ語でこんにちは)!NGO海外研修プログラム生としてルアンパバーン事務所で活動している北山です!
日本はこれから暖かい春を迎える一方で、ラオスは乾期まっただ中、暑い日が続いています。ハイシーズンでもあるので、街はガイドブックを手にした観光客で賑わっています。
さて、3月初旬、「移動図書館活動」で事業対象地のパクセン郡にあるいくつかの小学校を訪問しました。
パクセンの街の中心地から1時間ほど山道を車で走ると、ポツポツと民家が目に入りました。さらにその先の山道を進みますが、「こんな僻地に本当に小学校があるの?」と思うほど、辺りは木、崖、土です。でもしっかりと児童の元気な声が聞こえる校舎は現れました。
児童たちが好きな本を手に取り自由に読む、フリーリーディングの時間。
「どの絵本を読もうかな~」とカゴを覗き込む児童たちのきらきらした目が印象深く残っています。
黙読する児童や、元気に音読する児童、読み聞かせをしてあげる児童など、絵本との触れ合い方は様々で興味深いです。
絵本を読んだ後は、シャンティのスタッフによる読み聞かせ。児童たちはストーリーを想像しながら、スタッフの問いかけに元気いっぱい答えて楽しんでいました。
児童たちの笑顔やリアクションは本当に喜ばしいです。
その日の夕方、パクセンの町を散策しました。歩きながら私は胸がジーンとするのを感じました。途上国には貧しいイメージが伴いますが、私はその途上国で真逆の「富」を目にしたからです。豊富な自然、川沿いではしゃぐ子どもたち、大きく煌びやかな夕日を指さす親子。そこには確かに形はなくともしっかりと肌で感じられる富がありました。
新しい言葉を覚えたり、歴史や文化に触れると感情表現が豊かになります。たとえば毎日見ていた景色が、これまでとは違う色や温度で伝わってくることもあると思うのです。その景色を大切な誰かに伝えたいと自然と思うはず。私はそれを「豊かな生活」と呼ばずにはいられません。暖かな富で溢れたラオスの子どもたちが、もっと心が豊かに育ったら・・・と考えるとこの国の未来が楽しみで仕方ありません。
日常の一部に絵本があることはそんな未来への第一歩なんですね。
NGO海外研修プログラムについて
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