羽ばたけ、紙芝居!in ミャンマー
ミンガラバー!(ミャンマー語で朝晩兼用こんにちは)
この度の西日本豪雨被害につきましては、心よりお見舞い申し上げます。ミャンマーでも多くの方より、日本を心配する声を頂いています。ミャンマーでも現在雨季真っ最中ですが、今回はミャンマーで育ち始めている紙芝居についてレポートさせて頂きます。
7月1日~6日の6日間、児童図書出版研修を行いました。今回の研修は4回目となりますが、今年から画家、作家、編集らから構成される出版委員会を結成し、当委員会メンバーを対象として研修を行いました。講師は過去2年に続き、児童図書作家のやべみつのり先生です。
今回のテーマは、「手作り紙芝居」です。
これまでも過去2回紙芝居をテーマとして研修を行いましたが、今回は紙芝居の原点であり、とても重要な要素が含まれる「手作り紙芝居」にテーマ設定をしました。その理由は、紙芝居は出版を目指すことだけが目的ではなく、誰もが楽しむことができるシンプルなメディアであるといった紙芝居の本質的な部分を参加者に深く理解してもらうためでした。参加者の方は、大人や高学年向けの図書出版に携わってきた方が多く、紙芝居含む児童図書という概念につきインプットがまだ不足している状況です。今回の研修を通しても、これまでの型を抜け出し自由な発想で、子どもたちがもっと純粋に身近に紙芝居に親しめる様、作り手として理解してもらうことが必要でした。
サブテーマとしては、「ミャンマーらしさとは?」としました。ミャンマーの人だからこそ作れるオリジナリティーを作品に持たせることによって、より子どもたちから共感が得やすく、ミャンマーで愛される様な作品作りを目指しました。
初日は、やべ先生からの講義です。
「絵本と紙芝居の違い」また「子供にとって紙芝居とは?」についてお話頂きました。紙芝居の魅力をたっぷり伝えて頂き、子どもたちに如何に喜んでもらえるか、が重要であることを強調されました。
「手作り紙芝居とは?」
紙芝居は、誰もが観ることが出来、作ることが出来、演じることが出来る、ということを、日本からの手作り作品の紹介や実演を交えながらの講義でした。写真の作品は、やべ先生のお孫さんが小学1年生のときに描かれた「まるからみえるものなぁに?」という、穴あき紙芝居です。子どもでも紙芝居を作れることを学びました。
「ミャンマーらしさとは?」
普段、自分が生まれ育った環境の特徴的なことは気づきにくい面がありますが、改めて自分たちの文化について参加者たちは考え、出てきたアイディアを発表しました。食べ物、パゴダ、服装、お祭り、詩、民族、民話、遊び、タナカ!等、沢山の気づきが生まれました。
こちら写真内の「にらめっこしましょあっぷっぷ」を紹介した際には、実際に参加者がにらめっこに初挑戦!大盛り上がりでした。様々な紙芝居に触れることにより、多角的な視点から作品作りが可能となり、子どもたちを如何に楽しませるかといった想像が膨らみます。
2日目からは実際に作品作り開始!今回の研修では、紙芝居は誰でも楽しめるということから、一人一作品に挑戦しました。(過去の研修ではグループでの作品作成でした)
ダミー(お話のコマ割り)を作成後、ミニ紙芝居をまず作成しました。披露の様子。
皆さん休憩も取らずに、集中して作品作りに3.5日間取り組まれました!
参加者皆さんの素晴らしい努力とやべ先生の情熱のこもった指導のお陰で、参加者全員作品を完成させることが出来ました!
それぞれ、ミャンマーらしさが溢れ出た素晴らしい作品となりました。研修の最初は、自分になんて作れないと思っていた参加者の方も、最後には達成感で溢れていました。
6日目は、ちょっとヤンゴンから遠出して、タヤワディ県にある公立学校へお邪魔し、完成作品を実際に子どもたちの前で披露しました。
最後の最後に、やべ先生から参加者へのメッセージ。
先生が始めてミャンマーにお越し頂いたのは3年前。その時に蒔かれた紙芝居の種が、今回の研修成果を通して徐々に確実に育っていることを先生自身、当会スタッフ、そして参加者の皆さん自身でも実感できる機会となりました。まだまだこの出た芽を私たちみんなで育てなければなりません。