2022.10.10
緊急人道支援

アフガニスタン東部地震の被災地域に食料と生活必需品の配布を開始します

アフガニスタン
事業開始
避難民
震災

シャンティ国際ボランティア会は、今年6月にアフガニスタン東部で発生した大地震の被災300世帯(2,100人)に食料と生活必需品の配布を開始します。

地震の被害のあったホースト州

特に被害が大きかった東部のホースト県

アフガニスタンで発生した大地震

6月22日、現地時間の午前1時30分頃、アフガニスタン東部のホースト県を震源とする地震が発生しました。地震の規模はマグニチュード5.9を記録し、子ども155人を含む1,039人以上の死者と、子ども250人を含む2,949人の負傷者が出ました。ホースト県は土や日干しレンガでできた住宅が多く、多くの家屋も倒壊して被害が拡大しました。

さらに地震が就寝時間帯に発生したことから、多くの人々が倒壊した家屋の下敷きとなりました。被災地では「再び地震が起き、家屋が崩れて下敷きになってしまうのではないか」という恐怖から、屋外で生活しつづけている人たちもいます。

山地にある全壊した住宅とがれき

山間の全壊した家屋とがれき

支援活動は難航

被災者数は36万2,000人以上に及び、そのうち4万3,000人は緊急シェルターで食料や生活必需品を受け取って暮らしています。
しかし、たとえ避難シェルターにたどり着くことができても、支援を求める被災者の数があまりにも多く、シェルターでは人が溢れかえっている状態です。寝泊まりする場所や飲料水や食料、衛生・医療用品の支援を多くの人々が必要としています。それに加えて、これから迎える厳しい冬を越えるための防寒具、テントや毛布などが手に入らず、この先どうなるのかといった不安を抱えたまま生活をしています。

自分たちで作ったテントに住む人たち

テント内での食事

この地震の被害により、国連の試算では約148億5,000万円の支援が必要とされています。復興までには相当な時間がかかり、現地に入って支援活動をしている国連機関やNGOだけでは援助が足りないのが現状です。それに加えて、ホースト県には長年の紛争による不発弾が残っていたり、崖が崩れて山間の道路が遮断されるなど現場へのアクセスが難しく、支援が届きにくい状況です。また今年6月から大雨と強風が続いたことで山岳地帯の地盤が緩み、地滑りなどの二次災害のおそれもあります。

事業概要

シャンティは10月中旬から、ホースト県のスぺラ地区における被災300世帯に食料と生活必需品の配布を行います。
アフガニスタン事務所の現地スタッフは、アフガニスタン暫定政権とコミュニティのリーダーから情報収集を行い、また、被災者の家庭を訪問してニーズの調査を行いました。

スペラ地区では、子どもを含め、ほとんどの人が食べ物を確保するために松の実の採取に追われている昨年8月にタリバンが権力を掌握して以降、アフガニスタンでは女子教育が禁止され、新型コロナウイルス感染症が拡大するなど、不安定な状況が続いています。その影響でNGOの活動は大きな制約を受け、シャンティの活動も厳しい現実に直面しています。しかしアフガニスタンの人々は長年にわたる紛争や飢餓から立ち直り、平和と発展を目指し復興しようとしています。シャンティは、子どもたちが十分な食事をとり、教育を受けることが不可欠と考え、引き続き支援活動を進めてまいります。

本事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆さまからのご支援を受けて実施しています。
引き続きアフガニスタンへの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
活動状況などは随時ウェブサイトにてお知らせいたします。https://sva.or.jp/

海外緊急人道支援担当 五嶋佑輝