2025.06.17
海外での活動

ラオス 村落教育開発委員会の活動計画内容とは?

ラオス
活動風景

サバイディ(こんにちは)。

6月に入り、ラオスは本格的に梅雨入りしました。一日に一度か二度、亜熱帯気候に特有のスコール(土砂降りの大雨)が降り、ひと時の間大地をひんやりと冷やします。スコールの後は太陽が顔を出し、一瞬にしてムシムシした暑さがやってきます。

ワークショップ中にナピエン村に振り出したスコール

 

スコール後の晴れた様子

そんな暑さの中でも、シャンティは山岳へき地の対象校を訪れ少数民族児童がより良く学ぶための指導・学習環境改善を目指し活動を実施中です。

直近の活動は村落開発委員会(VEDC)を対象としたワークショップです。本活動は、VEDCの能力強化、特に教育開発計画の立て方や資金調達、計画に沿った活動実施、活動報告等の方法について学びます。本活動や村落教育開発委員会の組織詳細については、先に投稿した下記のブログ記事から確認できます。

対象6カ村にて村落教育開発ワークショップを実施しました!

 

5月にコンカーン学校区にて実施したVEDCワークショップの様子

 

村落教育開発委員会はどういった教育活動計画を立てるの?

6月14日現在、シャンティは22の対象村のうち11カ村にて本ワークショップを実施しました。その11カ村全てにおいて翌年の「村落教育開発計画」の策定が完了しています。

チョムチエン村の村落教育開発委員会が策定した教育開発計画

 

村落教育開発計画とは、簡単に言うと村の子どもたちにより良い教育を提供するために毎年策定される教育計画です。もちろん村によっては、その土地や学校に特有の活動計画が立てられることがあります。その一方で、どの村の計画にも頻繁に共通して見られる活動もあります。

本ブログでは、そういった特に共通性の高い活動計画や他では見ないその村に特有の活動計画を紹介します!

 

共通性・頻出度の高い活動計画:学校の環境整備

11カ村全ての教育開発計画に見られたのが、「学校の環境整備」でした。ラオスの山岳へき地地帯にある学校は、校舎及び校庭の環境整備がほとんどその村の住民の手で行われます。環境整備の中には、校庭周辺のフェンスや小屋の設置、草刈り、家具、トイレ・手洗い場等を含む校舎の修繕や維持等が挙げられます。児童が安心して楽しく学ぶためには、学びの環境を整えることが不可欠で、村落教育開発委員会の皆さんもそれを第一の優先事項としてとらえているようです。

木材で作られたフェンス(写真右奥)

 

校庭周辺に設置された鉄のフェンス(動物等の危険から子どもを守る役割を果たしている)

 

きれいに維持された手洗い場にて児童が手を洗っている様子

 

きれいに維持整備された校庭にて児童が遊んでいる様子

 

学校または村に特有の活動計画①:学びに遅れが出ている児童の個別サポート

ある村の村落教育開発委員会は、学びに遅れが出ている児童の個別サポートを教育開発計画に入れました。この村は、郡の中心地から50km近く離れていて少数民族児童がラオス語に触れる機会は学校以外ではほぼ皆無です。そういった子どもたちがラオス語の習得に苦戦している現状を改善するため、自主的にこの活動を計画の中に入れたのです。

少数民族児童にラオス語を指導する教員

 

少数民族児童がラオス語の授業でグループワークをしている様子

 

学校または村に特有の活動計画②:児童が読書をするための敷物の購入

また、ある学校では読書室の開設後に児童が心地よく読書を楽しむために敷物を購入することを計画しました。この計画について聞いたとき、教員や村落教育開発委員のメンバーが読書推進活動を重要だと認識していることが分かり大変嬉しくなりました。

読書室の敷物の上で読書を始めようとする児童たち

 

敷物の上で読書を楽しむ児童の様子①

 

敷物の上で読書を楽しむ児童の様子②

 

今回は、村落教育開発委員会の教育開発計画について紹介しました。

翌年、彼らはこの計画に則って児童の学びを支えるための活動を実施していきます。シャンティもその活動を支えることができるよう邁進してまいります。

 

ラオス事務所 サイサモン

本活動は、JICA草の根技術協力事業の助成によって実施しています。