【東日本大震災】新たな取り組み~若者の力を市民活動に~
地球市民事業課 国内緊急人道支援担当の中井です。
シャンティでは、東日本大震災から「復興の入口まで寄り添い続ける」ことを大切に、東北3県に事務所を設置し、2018年12月(7年9か月)まで現地で活動を行ってきました。南相馬市に構えた最後の事務所では、「集いの場支援」、「聞き書き」、「発信・交流」をテーマとした活動を行い大きな区切りとなりました。
今後、離れた東京事務所からの関わりの中で何ができるのか模索する中、日本NPOセンターや南相馬市民活動サポートセンターとのつながりの中で福島大学災害ボランティアセンターと出会いました。
2011年に設立された学生団体である福島大学災害ボランティアセンターは仮設住宅への支援から始まり、復興公営住宅でのサロン活動を中心とした活動を続けてきております。その中で、学生メンバーからは、コロナ禍で活動が少なくなり、毎年メンバーが変わっていく中で先達からの意思を正しく継承する難しさがあると言います。
そこでこの度、南相馬市原町区出身の学生が中心となり、震災前の幼い記憶の中にある市民運動会や歩行者天国で盛り上がっていた南相馬を取り戻したいという思いをバックボーンにした活動を提案頂きました。
そして、シャンティは南相馬事務所で今までお付き合いさせていただいた団体の皆さんとのつながりや被災地支援で培ってきた経験を基に新たな挑戦をしようとする福島大学災害ボランティアセンターと共に協働で活動を始めることとなりました。
南相馬市民活動サポートセンターで意見交換
この間、令和4年福島県沖地震の支援活動でもお世話になった南相馬市民活動サポートセンターやみんぷくにヒアリングをさせていただき南相馬で行われている市民活動や抱える課題を聞かせいていただきました。
この12年余りの間、これまでインフラ等ハードな部分での復興は積み上げられてきたかもしれませんが、昨年の福島県沖地震での被害や少子高齢化、帰宅困難者など様々な問題が複雑化するこれからは、ふるさとの文化を世代間・家族間・地域間・市民間の交流を通してサポートしていくことに重きをおく必要があると思っています。
これまでも、社会を良いものにしようと活動する大学生は復興支援において大きな力をもたらしてきました。若者は、これから長い復興への道のりを担うことのできる存在であり、共に学びながら活動を進めていけたらと思います。