「復興支援寄席 和み落語カフェ」開催|令和6年能登半島地震
2024年11月27日、石川県輪島市門前の門前公民館にて復興支援寄席を開催しました。主催は全日本仏教青年会様で、シャンティは出演者の手配、会場の調整、参加の呼びかけ、遠方の参加者のためのマイクロバスの運行手配などの協力をしました。
全日本仏教青年会様(以下、全日仏青)は、日本全国の宗派や地域を越えて活動する仏教青年団体で、和を重んずる仏教精神をもとに、全世界の青年僧侶の交流を深め、仏教文化を広め、世界平和を目指して活動をしています。
この度、全日仏青様より、被災して心身ともに疲弊されている方々に少しでも笑顔になっていただき、僧侶としてわずかでも寄り添えたら、というご希望をお聞きして、シャンティでも協力することとなりました。
ご出演は、テレビでもおなじみの桂米助師匠と石川県出身の桂空治さんにお願いをしました。お二人とも震災後に輪島市門前を訪れるのは初めてで、ご出演の前に大きな被害を受けた曹洞宗大本山總持寺祖院を視察して、地震の大きさを痛感されていました。
会場では、寄席の準備と並行してカフェの飲み物やお菓子の準備も進められており、来場された方々は温かいお茶やコーヒーを手に表情が緩んでいました。
雨が降るあいにくの天候にも関わらず、会場には約200名の方々が集まり、開演の2時間前に来られた方もいて、この日をとても楽しみに待っていたことを感じました。
まずは桂空治さんのご出演です。はじめに、地元の話題や地元の新聞社のCMにも出演していることなどを話すとご存じの方も多く、大きく頷く方や「知ってる」と仰る方など、早速会場を盛り上げていました。
演目は「時そば」をお話しされました。蕎麦屋に来て店のあらゆるものを褒めちぎる男性が支払いの際に、小銭を数えながら上手く勘定をごまかします。それを見ていた別の男性が真似をしようとするが、店を上手く褒められず、小銭のカウントも上手くいかず逆に多く支払ってしまうという噺です。空治さんは、私たちを一気に江戸の世界に引き込み、終始笑いに包まれた時間となりました。
いよいよ米助師匠のご出演です。「突撃!隣の晩ごはん」で訪れたお宅のエピソードや、以前に輪島市にも来たことがあるということもお話しされました。
そして、これまで3000軒以上も訪問してきた中で多かったメニューを会場の方々に聞いて、答えた方にはサイン入りしゃもじをプレゼントするというクイズの時間もありました。しゃもじをプレゼントされた方はとても嬉しそうで、終了後には「サイン入りのしゃもじは宝物よ」と仰っていました。
さらに、元巨人軍監督の長嶋茂雄さんの爆笑譚や白内障の話など、米助師匠の親しみやすさとサービス精神を存分に感じられる時間となりました。また、落語家の「真打・二ツ目・前座」の意味についても紹介してくださり、笑いとともに勉強になる話もあり、あっという間の公演となりました。
参加された方からは「米助師匠とのかけ合いが楽しかった」「普段は声を出して笑うことが少なかったから参加して良かった」という落語で楽しんでいただいた感想から「久しぶりに公民館に来られて嬉しかった」「年末にさしかかる時期で、とてもいい思い出になった」といった喜びの中にも被災して日常が特別になったことを感じる感想もいただきました。
役所の方からは「3月に開催した雪割草まつり以来のイベントで、とても貴重な時間だった」といった声も聞かれ、皆様に良い時間を過ごしていただけたことを実感しました。
シャンティでは輪島市図書館と連携して移動図書館の巡回を継続しています。寒さ厳しい冬が訪れる能登半島ですが、復興支援寄席の笑いや移動図書館でほっとできる時間など少しでも温かい気持ちをおすそ分けできるよう活動を続けてまいります。
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チャリティ寄席は、皆様の地域や団体、お寺などで開催できるイベントです。ご関心のある方は、ぜひこちらのページをご覧ください。また、お問い合わせも同じページより受け付けております。
広報・リレーションズ課 日比