2025.03.28
緊急人道支援

早春の能登を走る移動図書館|令和6年能登半島地震

国内災害
震災

防寒着に身を包みかじかむ手でチラシを配っていた冬から、うぐいすの鳴き声と共に春を感じる機会が増えてきました。

 

3月22日に輪島市門前町にて「雪割草まつり」が開催されました。

昨年、発災後の断水が続く中、開催のお手伝いをさせていただき私自身は2度目の参加になります。

昨年のレポートはこちら

雪割草は輪島市の市花でも知られ、花言葉は「忍耐」「自信」「高貴」です。

早春に雪を割るようにして花を咲かせる姿は新しい始まりへの期待を表現しているように感じられます。

まつりでは雪割草が販売され、毎年県外からも買い求めに来る

例年「雪割草まつり」は、商店街を歩行者天国として開催していましたが、昨年は商店の多くが倒壊、道路もがれきで覆われた為、近くの小学校の体育館やグランドを借りました。

今年は例年通り商店街を歩行者天国にして開催し、多くの方が訪れました。賑わいを見せる一方、商店の多くが解体されたことから空き地が増え、風が良く通るようになってしまったという言葉に少し寂しさも感じました。

門前町のゆるキャラ(左)ごらいくん、(右)もんちゃんが商店街通りを練り歩いた

 

奥能登豪雨の被害を受けた方への仮設住宅は徐々に完成し、4月には輪島市内の避難所が閉所されることとなりました。9月21日の発災以降、避難所で続けてきた移動図書館も3月で最後です。

「去年9月に大水が来て、公民館に避難した。そこから、公民館は行事を再開しないといけないから小学校に移ってきたのが年明けかな。気づけば半年、長かったような短かったような。」

これから避難所から仮設住宅や自宅に移る方は、ようやく生活再建への一歩を踏み出すという段階にあります。

公民館での移動図書館の様子

引き続き移動図書館活動で回っている仮設住宅の集会所や公民館では畑の話題が多く聞こえてくるようになりました。

70代女性「畑持ってたんやけど大雨で流されてしまった。去年一年間何も手を付けなかったらダメになってしまったかね。ボランティアさんに泥は取ってもらったし、ちょっこしでも植えてみようかな。」

60代女性「昨日、ジャガイモを植えてきた。うまく作れないかもしれないけど畑に行くことが楽しみになるの。」

流木が目立つ中だが、なんとか土お越しを始めることが出来るようになった

フキノトウも沢山芽を出し桜の開花を待ち望む声が多く聞こえます。

新年度を控え、気持ちを新たに活動を続けていきたいと思います。

 

国内事業課 中井

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