移動図書館車運行への準備|令和6年能登半島地震
能登での活動が3年目に差し掛かる2025年末より本格的な移動図書館車の運行準備を進めております。これまでは、本を折りたたみコンテナに詰め、軽バンに積載し巡回を続けてきましたが、間もなく新しい移動図書館車を迎え入れます。
それにあたり、12月16日、石川県輪島市図書館への移動図書館車贈呈式を行いました。
プレスリリースはこちらからご覧いただけます。
移動図書館車は2月から運行を予定しており、それまではパネルで新車両を展示。
利用者からはパネルを見ながら心待ちにする様子を見ることができました。
「昔、保育所の先生をしとったけど、その頃は保育所に移動図書館が来てくれたんや。懐かしいわ。」
「新聞やニュースでも見たよ。素敵なデザインで図書館が来たってわかりやすいね!楽しみ。」
「今よりも多くの本を持ってくることができるのはすごくうれしい。」

新車両のデザインパネルを見る利用者さん
12月は最後の巡回先で心に沁みる言葉をもらいました。
「大切に集めた本は家の解体と同時に処分してしまった。私は出歩くより、本を読むことが好きで地域交流のイベントにはほとんど顔を出さないけど移動図書館だけは欠かさず来たのよ。2025年は1年間、移動図書館があったから仮設住宅の生活でも退屈しませんでした。ありがとう。」
能登には特有の食文化が根付いており、正月にはかぶらずしや大根ずし、丸柚餅子等お祝いの食事が家庭を彩ります。
里山里海の豊かな食材を厳しい冬を越えるために加工した、かぶらずしや大根ずしといったなれずしは12月初めから正月に食べられるように仕込みが始まるそうです。
かぶらずしは、1週間ほど塩漬けにした輪切りのかぶに塩ぶりを挟み、そこに柚子の皮と唐辛子を加え、糀に漬け、乳酸発酵させます。かぶの代わりに大根、ぶりの代わりにさばやいわしを挟むのも良し、家庭によって材料や製法は様々です。
移動図書館でも各家庭の作り方を教えてくださいました。
「家庭で作るなら大根と塩さばが手軽でおいしくできるよ。」
「うちでは、塩さばをつかうときは一度酢で洗うのよ。」
「乾燥糀をそのまま振りかける人と、甘酒にしてから漬ける人がいる。」
息子から今年も作ってくれるの?と正月食べるのを心待ちにする連絡があった方は嬉しそうに仕込みの話をしてくれたり、仮設住宅では集会所に集まり、皆で作ったという話を聞いたり、時間をかけて準備する過程で交流の機会も生まれ魅力的な食文化です。
筆者もそんな話を聞く中、輪島市図書館で借りた郷土料理本を片手に、利用者からのアドバイスを基にかぶらずし挑戦してみました。
教えていただいたポイントは、かぶでも大根でも最低2キロはつけないとおいしくならない!塩分濃度は3%!
塩さばは輪島市内の商業施設で開かれている出張輪島朝市にて購入しました。

アドバイスを基に作ったかぶらずし

能登の正月の縁起物飾り「蓬莱」

柚子の皮を容器に、餅生地を詰め蒸した丸柚餅子
1月中旬には輪島市図書館に移動図書館車が来て本の積み込みを行いました。
車検・車両登録に合わせて、輪島市図書館が選書した本1,038冊を支援させていただき、職員さんと積み込み作業。
初めて輪島市にやって来た車両は鮮やかなデザインで移動図書館がやって来た!という感じです。

車検のため本の積載にやって来た移動図書館車

ご支援させていただいた本

移動図書館車に本を並べる様子
今年に入ってからは、シルバー人材センターから運転手2名を迎え着々と運行準備が進んでいます。
そして、2月からは現在の巡回先である仮設住宅と公民館に加え、児童福祉施設4か所へ新たに巡回します。そこへの下見などを行い、2月から新体制での活動を開始していきます。
国内緊急人道支援担当 中井


