【パキスタン】大洪水で被災した745世帯に、食料と生活必需品を配布しました!
みなさま、ページをご覧いただきありがとうございます。パキスタンの水害被災者支援事業を担当しております、喜納です。
2021年8月に発生したパキスタンの大洪水から半年以上が経ちました。しかし、現地からは支援を必要としている人たちの声が未だ多く届きます。
シャンティはJPFの助成を受け、昨年の11月からパキスタン西部において洪水被災者支援を開始し、今年3月1日に緊急の食料と生活必需品の配布が完了しました。
本事業について、事業開始時にシャンティ職員が首都のイスラマバードを訪問した際のブログ記事があります。どうぞ、こちらも併せてご覧ください。
パキスタン水害被災者支援事業開始 ”首都イスラマバードから見えたこと”
今回のブログでは、本事業開始時から配布完了時までの様子を現地から届いた写真を用いてご報告いたします。
緊急の食料と生活必需品物資を届ける世帯を選定しました
本事業は、パキスタンの現地NGO団体と協力して実施しております。現地NGO団体KKF(Khadim Ul Khalaq Foundation、日本語直訳「人類への奉仕者」)は、物資を受け取る被災世帯を選定するために、対象地域の行政担当者や村の代表と調整の会議を持ちました。
さらに、活動を支えてくれるコミュニティ委員会を設立し、受益世帯の選定方法等について協議しました。
多くの家庭が洪水の被害を受けましたが、その中でも夫を亡くし収入減を失ったり、高齢者や障がい者または妊婦を抱えていたり等、同じ洪水の被害でも影響の甚大さは環境や状況によって異なります。
私たちは、今回の洪水により最も大きな影響を受けたとされる745世帯を物資配布の対象として選定しました。
緊急の食料と生活必需品を調達しました
被災家庭へ配布する食料は栄養バランスがとれていることに加えて、長期保存がきくものでなければいけません。また、生活必需品に関しては、例えば、ブルーシートやバケツ、石鹸等の洪水被害後の生活を支えるものでなくてはいけません。
現地の状況を鑑み、また上記の条件を考慮し、シャンティはKKFとの協議のもと、配布物資を決定しその後調達を行いました。
被災世帯への物資配布
物資の調達が終わり、その後約一か月(2月7日から3月1日の間)かけて745世帯への物資配布を完了しました!
イスラム教徒が多いパキスタンでは、公の場に大勢の人が集まる際、男女を分ける風習があります。今回の物資配布時にも、そのような文化的背景に配慮しました。
また、洪水で夫や息子を亡くした寡婦世帯への配慮として、KKFやコミュニティのボランティアが大きくて重たい配布物資を家庭まで届ける対応をとりました。
配布が完了した後も、配布された物資が役に立っているか、被災家庭の生活をしっかりと支えることができているか等の聴き取りを行っております。
いつまでも続く「支援不足」
事業期間を通して何度も現地を訪れる中、隣接する村々や今回物資配布の対象となっていないコミュニティにおいて支援不足の声が挙げられました。
現地の人々や行政機関は、シャンティそして日本政府による継続的な緊急人道支援を切願しています。
私たちは、このような状況に応えるため、本事業の対象地域に隣接する村々へ支援の幅を拡大すべく、再度JPFから助成を受け2023年6月まで新しく事業を実施することとなりました。
新規事業に関しては、食料と生活必需品に加え、学校教育を続けるための制服や学習用具等も配布する予定です。
新規事業の様子もシャンティのホームページにて掲載予定です。ぜひ、ご確認ください。
アフガン事務所 喜納