【READYFOR挑戦中!】「女の子たちが、将来大切な人たちを守ることができるように…。」
Eid Mubarak! (「イード・ムバラク!」:イードの日おめでとう!)
アフガニスタン事務所の喜納です。
アフガニスタンでは約一か月のラマダン(日中に断食を行う)期間を終え、4月21日からイスラム教における大きな祭典の一つであるイードを3~4日間にかけて祝っています。
本ブログでは、昨年7月から開始したCBE事業において、実際に教師として勤めるマララさん(仮名)の人生経験と教育の制限を受ける女の子たちへの想いを届けます。彼女たちのために一生懸命働くマララさんもまたアフガニスタンで生きる一人の女性です。彼女の人生や経験は、タリバン暫定政権下のアフガニスタンで、女子教育を続ける原動力となっています。
アフガニスタン東部の山岳地帯にある小さな村でマララさんは生まれ育ちました。
そこでは、多くの村人が農業や畜産業から得る少ない収入で生活を送っています。彼女を含む女性の役割としてはもっぱら家事をして家族を支えることです。そんな中、マララさんは子どものころから、家事の途中に時間を見つけては勉強していました。
10代後半になり、多くの若いアフガニスタン人女性同様、マララさんにも結婚の話が舞い込んできました。本人の意思とは関係なく、両家の親同士の話し合いによってマララさんはある男性と結婚することとなり、遠く離れた場所の家に嫁ぐこととなりました。
その時のことをマララさんはこう振り返りました、
「嫁ぎたての頃、私は義父に簡単な野菜料理を作ることもできないほど若かったです。」
その後二人の大切な子どもに恵まれたのにもかかわらず、マララさんの結婚は幸せとは言えませんでした。結婚から少しして、旦那さんは家を空けることが多くなりました。それどころか、賭け事に興じたり、高価な車を購入したりし、10万アフガニー(約20万円)の借金を作り、借金取りが頻繁に家を訪れるようになりました。
そして、結婚から3年目にして、マララさんの旦那さんは遂に家に帰ってこなくなり行方が分からなくなりました。義父からは不当に扱われ、そんな生活に耐えきれなくなったマララさんは、「2人の天使(娘)」を連れて、実家に帰ることを決意しました。
残念ながら、実家に帰ってもマララさんの生活状況が良くなることはありませんでした。
2021年8月、カブールがタリバンの手によって陥落し、多くの人が職を失いました。マララさんのお父さんもそのうちの一人で、仕事を失った後家計を支えるために土地や家財を売ってお金を工面しました。政変から1年が経ち、お金も底をつきそうで、先の見えない生活に不安は募る一方でした。
「家には親戚を合わせ18人が住んでいます。子どもも多く、安定した収入のある人は誰もいませんでした。私たちは、ただ奇跡が起こることを待つ他何もできなかったのです。」
「奇跡」を待っていたそんなある日、村のモスク(イスラム教の礼拝堂)にて、新規設置予定のコミュニティベースの教室の女性教員募集がかかりました。マララさんのお父さんは、担当者に連絡を取り応募方法を調べました。
マララさんは、その枠に応募することとなり、採用試験を受けました。
多くの人が就職難に陥っていたこともあり非常に倍率が高く、候補者間で厳しい競争がありました。
マララさんは、家族と最愛の2人の娘のため最後まであきらめず試験に挑み、見事コミュニティベースの教室の教員として採用されたのです。その時の様子をマララさんはこう語ります。
「家に帰って真っ先にお父さんに合格の結果を伝えました。結果を聞いたお父さんと、近所に聞こえるくらい大声で泣いて一緒に喜んだことは一生忘れません。」
マララさんは、アフガニスタンで生きる一人の女性としてあらゆる状況に立ち向かってきました。子どもの頃から勉強をして、教員採用試験ではその成果が発揮され、今教員としてコミュニティベースの教室で女の子たちに日々勉強を教えています。
「私のクラスに来る女の子たちが熱心に勉強し、私と同じように、将来家族を支えてくれることを願っています。」
マララさんの物語は、なぜアフガニスタンの女の子たちに教育を届け続ける必要があるのか、その重要性を思い出させてくれるものでした。
私たちは、タリバン暫定政権下という厳しい状況のなかで、女子教育を続けるため努力しています。
本事業でコミュニティベースの教室に通う女の子たちを支えるため、3月にクラウドファンディングREADYFORにてプロジェクトを開始しました。期間も残すところあと3日となり目標達成にはみなさまの協力がまだまだ必要です。最後までチーム一丸となって頑張ります。
引き続き、温かいご支援、SNS等での拡散をどうかよろしくお願いいたします。
アフガニスタン事務所 喜納
アフガニスタンで女子教育継続を。学ぶ権利、夢と希望を取り戻すために
https://readyfor.jp/projects/Shanti_Afghanistan2023