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2024.04.24
緊急人道支援

【アフガニスタン緊急人道支援】パキスタンから帰還を強いられた人々への支援を開始しました

アフガニスタン
フード
事業開始
避難民

ブログをご覧いただきありがとうございます。本記事では、シャンティがアフガニスタンで2月から新しく開始した緊急人道支援事業について紹介します。

 

政変後のアフガニスタンの状況と今

アフガニスタンで起きた政変から2年8カ月という年月が流れました。この間、国民の生活は悪くなっていく一方です。人々は職と収入を失い、多くの世帯で食料を調達することが困難な状況が続いています。

 「空腹をしのぐために、パンを水に浸して子どもに与えています。」

こういった声は、様々なところから聞こえてきます。

参考:【開催報告】オンラインベント「アフガニスタンの子どもたち・人々の暮らしと支援活動の今 ~政変から一年を迎えて~」

 

そんな状況に追い打ちをかけるように、干ばつや大雨による洪水、地震等の自然災害が多発し、人々の生活を一層苦しくしています。

2023年10月の大地震によりほぼ全壊した家屋(ヘラート県)

2023年10月の大地震によりほぼ全壊した家屋(ヘラート県)

半壊した家から生活に必要な家財を探す人たち(ヘラート県)

半壊した家から生活に必要な家財を探す人たち(ヘラート県)

このように落ち着かない状況が続くアフガニスタンですが、昨年の後半、それに拍車をかける出来事が起きました。それが、隣国パキスタン政府による不法滞在者の送還計画の発令です。その計画の方針は、滞在許可を有さない外国人(避難民を含む)を11月1日までに自発的帰還させる、というものでした。あまりにも突然の発表で、パキスタンに滞在する滞在許可を有さないほとんどのアフガニスタン人は、両手で持てるほどの荷物を抱え、それまで住んでいた家を後にしました。

自発的帰還の最終日を2月末までに一度は延長されたものの、1月時点の強制帰還民の数は約56万人と報告されています。その中には、過去にパキスタンに移住/避難した親の元に生まれ、そこで育った人もいます。そんな人にとっては、初めてアフガニスタンの地を踏むこととなります。

アフガニスタンに戻ってきた人々は、ホストコミュニティ(もともとその地域に住んでいる人たち)の家の一画や敷地を借りたり、外にテントを張ったり、ひどい場合は敷物のみを敷いてその上で生活を送っています。

ナンガハル県ソルクロッド地区の様子 ©Yoshifumi Kawabata

ナンガハル県ソルクロッド地区の様子 ©Yoshifumi Kawabata

ホストコミュニティの家の一画を居住スペースとしている ©Yoshifumi Kawabata

ホストコミュニティの家の一画を居住スペースとしている ©Yoshifumi Kawabata

当てが見つからない場合は外に敷物を敷いて生活を送っている

当てが見つからない場合は外に敷物を敷いて生活を送っている

シャンティは、強制的な帰還を余儀なくされた人たちに、緊急の食料と衛生用品を配布する事業を開始しました。

 

帰還を強いられた550世帯に対し、緊急の食料と衛生用品を配布します!

本事業は、アフガニスタン東部ナンガハル県のソルクロッドという地区を対象にしています。ナンガハル県はパキスタンと国境を接している県で大量の強制帰還民が流入し、滞在している地域です。

事業期間は、2024年2月から7月です。物資配布の対象世帯数は550世帯で、子どもを含む約3,850名の人々が緊急の食料と衛生用品を受け取ります。配布する物資の内容は以下となります。

食料キット:小麦粉、食糧油、砂糖、塩、豆類、圧力鍋、やかん

衛生用品キット:石けん、石けんケース、タオル、水汲み用バケツ

※ニーズ変化等に応じて、対象地区・配布物を変更する可能性があります。

過去の事業にて配布した食料キット

過去の事業にて配布した食料キット

過去の事業にて配布した女性用衛生用品キット

過去の事業にて配布した女性用衛生用品キット

現在は、現地の職員が主体となり本事業の対象となる世帯の選定段階にいます。対象地区で最も困難な状況に置かれる世帯や人々を優先的に支援の対象とし、いち早く物資を届けられるように調整しています。

帰還を強いられた家族が家の一画を借り、身を寄せ合って生活を送っている様子 ©Yoshifumi Kawabata

帰還を強いられた家族が家の一画を借り、身を寄せ合って生活を送っている様子 ©Yoshifumi Kawabata

今後も、活動の様子をシャンティのホームページで掲載しますので、是非ご覧ください。

(本事業はジャパン・プラットフォームからの資金を受けて実施しています。)

 

アフガニスタン事務所 喜納