2021.12.28
海外での活動

アフガニスタンでの現在の活動

アフガニスタン
避難民

アッサラーム・アライクム!(あなたがたの上に平安がありますように)アフガニスタン担当の真屋です。
アフガニスタンの冬は厳しく、日に日に困窮度を増すアフガニスタンの子どもたち、女性たちのことを心配下さる方も多くいらっしゃることと思います。

シャンティでは8月の政変以降、現地行政と調整を重ね、東部地域で子どもたち待望の子ども図書館を10月末より再開しました。再開後も約100名前後の子どもたちが毎日子ども図書館を利用しています。3~13歳の子どもが自由に利用でき、安心して安全に遊び学べる唯一の子どもの居場所となっています。

読書スペースを利用する子どもたち

読書スペースを利用する子どもたち

再開した特別教室

再開した学校に通えない子どものための特別教室(基本的な読み書きや計算などを教えています)

子ども図書館を利用する子どもたちの中には、親が失業して家計が悪化し学校に通えなくなり、希望やモラルを失う子どもたちがいると聞きます。例えば、ある女の子はタリバンが女性への教育に反対しているので図書館員が家に来るまで図書館に来るのをやめてしまった、ある男の子は家計が苦しく、借りた鞄を売ってしまったと本当のことを言わずに鞄をなくしてしまったと嘘をついてしまった、などです。アフガニスタンは政変以前からの紛争、新型コロナウイルス、4年ぶりの深刻な干ばつの影響も受け、児童労働、物乞い、早婚、人身売買の増加など、元々苦しかった子どもたちの生活は更に悪化しています。このような厳しい状況の中でも子どもたちが教育を受ける機会を得て希望を持ち続けられるよう、何とか子ども図書館の運営を継続していきたいと考えています。

絵本を読む子どもたち

子ども図書館で絵本を読む子どもたち

またナンガハル県都市部で生活する困窮世帯の多くは、8月の政変以降に、戦乱を避けるため、同県の農村部から緊急避難をし、都市部に滞在している国内避難民の家庭です。政情不穏による行政サービスの停滞により、彼らの多くは仮設テントや防寒性の悪いシェルターに身を寄せています。政変後の約4カ月の間、何の支援も受けていないという家庭も少なくありません。

アフガニスタンの現在の活動

国内避難民が暮らす簡易テント

アフガニスタンの現在の活動

テントに住む避難民の子どもたち

シャンティは12月に、ナンガハル県都市部の生活困窮者に緊急救援物資の配布を行いました。各世帯には、現地の食習慣や栄養成分を考慮し、1世帯当たり3カ月分の小麦粉・豆・食用油・砂糖を含む食料キットを配布しました。シャンティは配布にあたり、入念に裨益者の事前調査を行い、職員による家庭訪問で、裨益者を選定し、物資を届けることができました。

アフガニスタンの現在の活動

物資配布の様子

現地は現在、冬真っ只中です。ナンガバル県の山岳地帯では夜中の気温がマイナスになることもある中、食糧と暖かい寝具を買えない生活困窮家庭が大勢います。シャンティは越冬支援も計画しており、引き続き物資配布の緊急支援活動も継続していきます。来年もどうぞご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

皆さま、どうぞお元気で良いお年をお迎えくださいませ。

アフガニスタン事務所 真屋