ミャンマー(ビルマ)難民キャンプから~青少年ボランティアと高齢者の触れ合い
5月22日(木)、タイにあるミャンマー難民のキャンプ(ウンピアム)で、
図書館青少年ボランティアの人形劇キャラバン研修会を行いました。
最終日には高齢者活動に参加している18名のお年寄りの皆さんを招いて
人形劇の発表を楽しんでもらいました。
まず、お昼にカオソーイ(タイ北部のカレーうどん)を皆でいただいた後、
図書委員会とSVAから簡単に挨拶をして交流会を開始。
高齢者がカレンの詩を披露した後は、高齢者と青少年ボランティアのメン
バーが第三国定住の良し悪しについて意見を交換し合いました。高齢者の
1人が、「第三国は、難民キャンプでの生活に比べたら、自由だし、いろ
いろな経験ができ、他の人と同様の権利を手にすることができる。しかし、
一方で難民キャンプのことや仲間のことを忘れてしまうのではないか。ま
た、もし悪い人に出くわし、その人に習っていってしまったら、悪い人生
を歩むことになる。結局はその人次第」と言うのに対し、まもなくアメリ
カに行く青年は、「悪いこともあるだろうけど、良いことのほうが多い。
自分は第三国でもっと勉強したい。そして、戻って来たい」と話していま
した。
3月に同様の機会を設けたメラキャンプでも好評だったドーナツ食い競争では、
会場に笑いが響きわたりました。
そして、今回のハイライト、青少年ボランティアによる人形劇の公演を行い
ました。ウンピアムキャンプのメンバーは、19名中新しく入ったメンバーが16名。
たった2日間の研修だったのでうまく演じられるかと心配されましたが、メンバー
は見事に成功させました。
今までこのような人形劇を身近で見たことがなかった高齢者は、目があまり
よく見えない人も耳が良く聞こえない人も皆、この特別公演にとても感激した
ようでした。また、プログラムの合間には、SVAの図書館活動ではおなじみの
歌遊びも交え、高齢者は子どもの頃に戻った様に楽しんでいました。
ちなみに、交流会はお昼から開始されましたが、高齢者の中には、午前中から
集まって青少年ボランティアが最後の練習をしている横で本を読んだり、久し
ぶりに集まった仲間達とおしゃべりをしたりしていました。
今までの高齢者活動は図書館員によってのみ運営されていましたが、今回青少年
グループと共に行う中で、高齢者も青少年たちもお互いに貴重な時間を過ごせた
ようです。これからも、彼らの元気なパワーを生かして活動をより盛り上げて
いきたいですね。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 加藤美生