難民キャンプ内でCBO-CCSDPT会議を開催
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。
最近、難民キャンプの話題が続いていますが、今年はカレン難民が定住する年。SVAとしても力を入れてご紹介しています!
会議は、1月22日、ウンピアム難民キャンプで実施されました。参加者は総勢130人ほどで、SVAからは小野とセイラースタッフが参加しました。
この日のウンピアムキャンプは、特有の風、そして乾季なのに雨。「メーソット(事務所のある)より10℃は低い」と思いました。私はここ数年薄着で痛い目に遭った経験から、Tシャツ重ね着、上着、靴下(ふだんは素足なので)で防寒対策。厚着してってよかったです。
ウンピアムキャンプの風景~畑も庭もあまり見られず、家屋が密集
さて、本題のCBO-CCSDPTミーティングですが、キャンプ内のコミュニティベース組織(CBO)とNGOの連合体であるタイ(避)難民サービス調整委員会(CCSDPT) がキャンプ内のサービスについて改善点を出し合うことが目的でした。
まず、午前中は、カレン難民委員会(KRC)側が様々な社会サービスの改善点を提案。とりわけ、保健事業に関しては、もっと頻繁にNGOと対話できる場が必要とのことでした。
KRC幹部の方がキャンプ内の社会サービスの課題を紹介
とりわけ、今回の会議、ふだん各キャンプに行かなければ会えないKRCのリーダーたちが一堂に会していたのでした。2年に一度の役員選挙とのことで、7つのキャンプから代表者が勢揃いした姿は大変印象的でした。
午後は、SVAも加盟しているCCSDPTがUNHCRと共に作成した「5ヵ年戦略計画案」をたたき台に、7つのセクターでグループ討議、全体発表しました。
「キャンプ運営」に関するグループ討議発表
保健、環境・公衆衛生、保護、食糧・物資配給、教育、生計、キャンプ運営のうち、私とセイラースタッフは教育グループに参加しました。このグループには、ターク県ノンフォーマル教育局からも参加者があり、とりわけ「キャンプ内の高等教育を充実し、タイの大学の学位が取れるようにできないか」の議論はとても盛り上がりました。
私も、常々、勉強したくてもできない、働きたくても働けない若者がキャンプ内に増えていく状況は極めて危機的だと思っています。
CCSDPTに加盟しているNGOは月に一度は調整会議をしていますが、当事者であり、サービス活動のパートナーたちは外出には特別な許可が必要で、それだけにプロセスに参加するのは困難です。だからこそ、こうした会合を計画的に開催して、CBOとの意見交換を活発化することには大きな意味があります。こうした方向性自体も確か「5ヵ年戦略計画案」と合致しているはず。
SVAの今後3年間の事業展開の鍵もやはり「CBOの参加」。CBOとのパートナーシップを醸成し、実質的な意味で「コミュニティ図書館」を実現していきたいものです。