2010.05.11
海外での活動

ウンピアム難民キャンプで虫歯予防の紙芝居と検診

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
活動風景

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。

2008年の11月に当会主催の難民キャンプツアーの参加者だった歯科医の阿部貴之(あべたかゆき)先生。

会員としてSVAを支えて下さる一方、メーソットでシンシア・マウン医師が創設したメータオ・クリニックのボランティア歯科医としても活躍していらっしゃいます。以前はベトナムにも巡回治療に行ったことがあるとのことで、海外ボランティア活動歴も相当なもの。今回5月4日、同クリニックでの活動の合間を縫って、ウンピアムキャンプを訪問して下さいました。

まず、午前中はキャンプ委員会を訪問。SVAとは気心も知れたキャンプ委員長のワ・ティーさんと面会し、現在のキャンプの抱える問題を熱心にうかがっておられました。ワ・ティーさんは、非行少年のための「更正寮」を建設したとたんに非行少年が親元に戻ったとか、面白おかしく話してくれます。しかし、これだけ閉鎖された場所に密集して生活しているとそれなりに大人も子どももいろいろなストレスを抱えており、きっと笑えない色んな問題があるのだと思います。

 

青いTシャツが阿部先生、ピンクTシャツがワ・ティー委員長、SVAスタッフのインさん

また、キャンプ内の病院を訪ねた時にも確認したのですが、このキャンプでは虫歯は抜くだけしかできない事実。もっとも、お金のある人は外出許可をもらって大きな町に治療に行っているようですが、先生もそうした事情を興味深く聞いておられました。

午後は、いよいよ子どもたちとの交流の時間。先生のプログラムは「虫歯予防の紙芝居と虫歯検診」。まず、前座で図書館員が何やらごそごそとパネルシアターの準備。よく見ると、動物の歯を次々と磨いていく歯磨き少年の話でした。

 

少年が動物の歯磨きをしますよ。ぞう、かば、魚・・・

事前打ち合わせなしでしたが、ここぞとばかり内容を合わせてくれるやさしい心遣いがうれしいですね。

そして、先生が歯科衛生士の方々といっしょに作ってくれた紙芝居。英語の解説入りでとっても見やすいものでした。

紙芝居を熱演する先生

最後には、少年に前に出てきてもらい、歯ブラシの仕方も練習してました。

ハイライトは、一気にドクタースタイルに変身した阿部先生が子どもたちの口中をチェック、チェック、チェック!
先生の診断をフォームにテキパキと記入する現地スタッフのインさん。時々間違えながらも、結果を次々メモしていきます。図書館に来てくれた50人の子どもたちの歯の現状と課題は後でお知らせ下さるとのことですが、果たして、難民キャンプの子どもたちの歯の状態は如何に・・・。

 

1人約2分で終える早業検診。メモが追いつかない・・・

プレゼントに阿部先生から歯ブラシを1本ずつもらっていった子どもたち。習ったブラッシングをちゃんとやれたかな。

ふだんは、訪問者の方が来られると、おはなし会、歌、ゲームなどの交流がほとんどですが、虫歯予防をテーマにしたこんな交流も面白いし、有意義だと思いました。

 

メータオクリニックのロゴが光る・・・

ということで、阿部先生、たいへんお疲れ様でした。調査結果、お待ちしています!

以上