2026.03.02
海外での活動

NGO海外研修プログラム 振り返り

カンボジア
活動風景

チョムリアップスオ(こんにちは)!

カンボジア事務所で1か月NGO海外研修プログラムにて活動している内田有咲です。

残り期間も少なくなってきたところで、これまでの活動を振り返りたいと思います。

 

カンボジアや教育に関心があったことに加え、今回シャンティの研修プログラムに応募した理由が大きく2つあります。

 

バッタンバン事務所の近くの景色

 

まず、シャンティがどのように支援を行っているのか、具体的な手順や方法が知りたいという思いです。大学で開発援助の批判について研究していたことが関係しています。

援助は支援する側の「こうあるべきだ」という価値観の押し付けという批判、援助することで現地の自立性が奪われ援助依存を生むという批判などについて調べていました。実務者の方々にお話を伺うとそれらは机上の空論でも無いようで、矛盾を抱えながら働いている方々もいらっしゃいました。このような批判と向き合う中で自分の行う活動に納得した上で国際協力をしたいと思うようになりました。

子どもたちとゴム跳び

次に、現地の人々との対話スキルを向上させ、相手の考え方や事実をうまく引き出せるようになりたい、現地のニーズをうまく汲み取れるようになりたいという思いがありました。

以前読んだ『途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法』(和田信明、中田豊一著)という本がとても興味深かったです。本の内容は支援者の質問によっては聞き手の期待に沿った答えや、事実とは異なる答えが返ってきてしまうこと、その防ぎ方、受益者の主体性を奪わないことなどで、実践経験を積みたいと思い研修プログラムへの応募を決めました。

ストロー飛行機飛ばし

実際に研修プログラム期間が始まると、プノンペン、バッタンバンの両事務所や支援現場で幅広く活動に関わらせて頂きました。

事務所では記事の翻訳や書類作成、タイ・カンボジア国境の影響による避難民キャンプへの緊急支援物資の梱包、教材などの作成などを行いました。

緊急支援物資の梱包

読書推進イベントで使う道具

フィールドワークでは日本のご支援者様と小学校の話し合い、移動図書館活動、幼稚園の先生方に対する教員研修、学校敷地計画図作成ワークショップに同行させて頂きました。

絵本『おおきなかぶ』の読み聞かせ: 『おおきなかぶ』(トルストイ再話、内田莉莎子・訳、佐藤忠良・絵、福音館書店)

幼稚園で使える教材作り

このように活動する中でシャンティがどのように押し付けや依存を防いでいるのか学べたことは大きな収穫だと思っています。例えば各国から寄せられるニーズに合わせて配布絵本の選定をしていること、プロジェクト合意段階でプロジェクト終了後の運営についてカウンターパートと取り決めをしていること、受益者のオーナーシップや参加を重要視して学校敷地計画図を作っていることが挙げられます。

具体的な方法を知ることで、現地の人々の価値観や主体性を尊重しつつ支援することは可能なのだと実感できました。また、教員研修の内容が応用的すぎると感じた場合に、実情を踏まえた上でどうすればよいかスタッフの皆様が再考していたのも大切な視点だと勉強になりました。

学校敷地計画図の作成

現地スタッフの通訳に助けられ、小学校の先生や校長先生、幼稚園の先生、地域コミュニティの方々や子どもたちに話を聞くこともできました。まだまだ質問の組み立て方に改善の余地がありますが、どのように質問すればよかったのか都度反省できた点まで含めて価値のある経験でした。

小学校の校長先生にインタビュー

こちらの写真の小学校は道なき道を車で数十分登った山奥にあり、電気もインターネットも通っていませんでした。中学校が近くに無く、約90%の子どもたちが小学校卒業後の進学を諦めるそうです。住民の方々にインタビューした際には、子どもたちには教育を受けさせたいけれどバイクの数が足りないため進学させられないことを教えてくれました。さらにポル・ポト政権時代の強制移住が今にも影響していること、長年山に住んできた人々と近年引っ越してきた人々の間の確執や生活スタイルの違いなども知ることができました。

このような背景は、お話を伺うことが無ければ知り得なかっただろうと思います。また、知っているか否かが支援の内容や方向性を左右する情報も多くあるのだろうと感じました。対話スキルを身に着けたいと思って始めたインタビューでしたが、インタビューの重要性自体にも改めて気付くことができ感謝しています。

ワークショップにて自己紹介

同様に、当初の目的とは異なるものの得られた重要な視点として、現場で何を観察するべきかを学べました。シャンティのスタッフの方とフィールドでの視点についてお話した際に、ワークショップで誰が積極的に参加しているかや、参加者の上下関係や力関係を観察していると教えて頂きました。また、参加者に限らず子どもたちやお迎えに来る保護者の男女比や年齢比、教室の掲示内容、誰と誰が食事を一緒にとっているかなど細部にも着目していることを知り、観察力に驚きました。

移動図書館活動にて子どもと写真

にじみ絵のサンプル作成

最後になりますが、この研修プログラムで得られた経験と学びを忘れることなく、今後の国際協力に活かしていきたいと思います。受け入れに関わってくださったシャンティ東京事務所、プノンペン事務所、バッタンバン事務所の皆様に心より感謝申し上げます。最後までお読みくださった皆様もありがとうございました!