子どもたちに読書の機会を!‐スラムの移動図書館‐
チョムリアップスーオ!
みなさま、こんにちは。
昨日深夜、部屋に侵入してきたゴキブリ2匹と戦っていると、大家のおばちゃんがどこからか現れて、一瞬にして裸足で踏みつぶし、笑顔で去っていきました。
本当に怖いのはゴキブリではなく大家さんでした。今日はお礼にマンゴーでも買って帰ろうかと思います。
さて今回は、カンボジア事務所でスラム支援事業の一環として行っている移動図書館活動のレポートをしたいと思います。
1993年から続いているこの活動は、図書館車に本や紙芝居、楽器、遊具等を載せて対象地へ訪問し、子どもたちやコミュニティの人々へ自由読書、おはなし読み聞かせの機会を提供するものです。
カンボジア事務所では、支援対象スラムや、そのスラム内にある小学校へ訪問しています。
また、今年に入ってからは伝統文化事業のサポートとして、仏教学校への出張、図書館員への読み聞かせ指導も平行して行なっています。
現在は、ロッカッコー / プノンバット / ボントンポン という3つのスラム地区を対象に移動図書館活動を行なっており、ひとつの対象地に対して1ヵ月に2回のペースで訪問しています。
先日は、ロッカッコースラムの小学校にいってきました。
授業が終わると、生徒たちが一目散に駆け寄ってきました。
絵本は毎回、激しい争奪戦になり、それぞれが、思い思いの絵本をじっくり読んでいます。
移動図書館が、彼らにとって唯一色々な本と触れる事の出来る時間です。
日本にいて、周りに当たり前のように本が溢れ、手に取れ、図書館や本屋がある生活がどれだけありがたいかを毎回実感します。
何回か訪問するうちに、生徒たちもだんだんと心を開いてくれるように。
彼らは元気が良すぎて、本を読んでいる姿をなかなか撮らせてくれません(笑)
一方、写真を撮る事に気づいた女の子たちは全員下を向いてしまいました。
恥ずかしがっているのでしょうか。話しかけてもクスクス笑っています。
嫌われているわけではないことを祈ります。
自由読書の時間が終わると、事業スタッフのステラによる紙芝居や絵本の読み聞かせが始まります。
それまでぎゃーぎゃー騒いでいた男子も、きゃっきゃしていた女子も、一瞬にして読み聞かせ、おはなしの世界に夢中になります。
皆本当におはなしが大好きで、この時間を楽しみにしています。
せっかくの機会なので私も子どもたち読み聞かせが出来るようになりたいと思い、絵本を一冊選び、物語のクメール語を読めるように現在猛練習しています。
校長先生に話を聞くと、授業中の子どもたちの集中力が以前より上がっているそうです。
直接的にも間接的にも、子どもたちの学習能力向上にとって大切な読書。
読書の機会の提供は、単に本に触れるだけではなく、子どもたちの学力や知識、創造力の向上に大きく寄与します。
私たちにできる事は限られていますが、5年後、10年後、30年後の彼らが、「あの頃、たくさん本を積んだ車が来てくれていたっけ。とても良い経験ができたな。」と思ってくれたら、とても嬉しいです。
カンボジア事務所 インターン
上村