補習推進事業:3つの研修が終わりました
チョムリアップスオ(こんにちは)!カンボジア事務所の山内です。
今年カンボジアのポーサット州で始まった補習推進事業ですが、無事に学習施設の建設が終わり、必要な3種類の研修の実施が完了しました。補習推進事業について詳しくはこちらのブログをご確認ください!→カンボジア僻地小学校で補習推進事業を開始しました
カンボジアの僻地では、パソコンといった機材に触れる機会が少なく、先生や学校運営委員会にとって教育省が開発した授業動画をパソコンとテレビを使って子どもに見せるという作業は初めての経験になります。そこでまずは、教材をIT機材でどのように使っていくかを学ぶデジタル教材活用研修会を実施しました。
初めてパソコンに触る学校運営委員会のメンバー
デジタル教材活用研修会では、それ以外に補習を実施する上で必要な概念、カンボジアで推奨されている補習の推進方法と開発されている教材の紹介、補習後の効果測定についても伝えていきました。
この研修で補習実施に必要な知識を理解してもらったので、第2回目の研修はより実践に移行しました。例えば校長先生から今の子どもたちの学習課題について共有してもらい、参加者全員で子どもたちの学習課題に学習施設を通してどのように対応していくかを話合ってもらいました。
スライドを用意して子どもたちの学習課題について説明する校長先生
その後、補習実施のためのスケジュール作成、補習授業プランの作成を行いました。この2回目の研修後から、まずはやってみようと、各学校で学習が遅れている子どもを対象に授業動画を活用した補習が開催されました。
最後に、学習施設には図書館機能も重要です。子どもたちが好きな絵本以外に、調べ物や授業に活用できそうな本を選定して、学校図書館運営研修を実施しました。学校にとっては自分たちの学校図書館を持つことも初めてです。基本的な運営方法から、どうやって子どもたちの学習を図書館活動で支えていくかを研修会を通して伝えていきました。
学校図書館運営研修で読み聞かせのやり方を学ぶ参加者達。好きな絵本を1冊ずつ選んで、絵本の持ち方から練習を始めました。[使用図書]:はらぺこあおむし(偕成社)、ハンダのびっくりプレゼント(光村教育図書)、もうちょっともうちょっと(福音館書店)
先生たちが研修を受けている最中、学校にいる子どもたちは初めて見る本に興味深々。開館準備を進めるそばから、たくさんの子どもたちが集まってくるので、準備をしている合間に本を手に取ってもらいました。
これら3つの研修が終わった後の12月に、カンボジアは新学期を迎えました。新学期に合わせて開館準備を終えた、開館ほやほやの学習施設では、補習が始まり、図書室にはたくさんの子どもたちが集まっています。更に学校からは、子どもたちの中から図書館委員会を選定したと報告がありました。
今後はこの学習施設について、地域の人たちの理解を得るため、移動図書館を通した啓発活動を実施予定です。
カンボジア事務所 山内
※本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力により実施されています。