2023.12.15
緊急人道支援

トルコ:南東部地震 コンテナの放課後教室開校!

事業開始
活動風景
避難民

みなさま、こんにちは!地球市民事業課の吉村です。
2023年2月6日にトルコ東南部を震源とする大地震が発生したことを覚えていらっしゃいますでしょうか。トルコ国内だけでも死者5万人以上、負傷者10万人以上となる大惨事となりました。現在日本での報道は減り、現地の現状を知る機会も少なくなりましたが、被災地はまだまだ復興途中です。
本日は、シャンティがトルコのNGO「YERYÜZÜ ÇOCUKLARI DERNEĞİ (英訳:children of earth)」と連携して行っている、被災地ハタイ県の子どもたちへの教育支援活動についてご報告いたします。

地震発生直後の支援詳細はこちら

地震発生直後の支援詳細

 

現在被災地はUNOCHA(国連人道問題調整事務所)によると「捜索・救命期」「緊急救命期」を経て、「生活再建支援期」に至っています。復興への支援は国内の官民によって実施されていますが、特に細やかな人的配慮が必要になる教育や心理の分野においては、トルコ国内の力だけでは限界があると言われています。震災前から被災地はシリア避難民が多く暮らす地域でもあり、10年以上もシリア避難民に対する支援が続いている地域でした。そこに大地震が発生したことで、市民社会への負担が大きく膨らみ、今後もこの状況が継続すると言われています。

 

6月にシャンティ職員が被災地視察に訪れた時のブログはこちら

6月にシャンティ職員が被災地視察に訪れた時のブログ

 

シャンティが事業地としているのはハタイ県、トルコ国内でも人的被害やインフラの破壊において最も深刻な被害を受けた地域です。ここは校舎の破損や、教師の被災によって教育機会が失われただけでなく、コンクリート製の建物への恐怖から就学に消極的になる子どもも多いそうです。また、シリア避難民であるが故の言語的事情や文化的な違いから教育に対する保護者の意識が低下している現状もある地域でした。

ハタイ県地図

Google Mapより(一部加工)

震災から4か月後のハタイ県の様子

震災から4か月後のハタイ県の様子

そこでシャンティは、被災した子どもが安心して学習に取り組める環境の整備として仮設のコンテナを設置し、喪失されていた学習を再開・継続できるためのホームワーククラブの開催や、子どもと保護者に対する心理的なサポートを行う相談の場を開設しています。

 

コンテナ内はエアコンやその他の電化製品などもあり温度の調節ができるため、子どもたちはその時に応じた適切な環境で学習をしています。

コンテナが並ぶ被災地の様子

コンテナが並ぶ被災地の様子

 

16時から開催されるホームワーククラブの様子です。

ホームワーククラブの様子

カウンセラーが隣接するオフィススペースに常駐しており、子どもたちはわからない問題があるときや、勉強が進まないときに心理士からのサポートを受けることもできます。カウンセラーは子どもたちの様子を見ながら励ましの言葉をかけてくれるので、子どもたちにとっても学習のモチベーションになっているようです。

 

ホームワーククラブはこれまでに20回以上開催され、総勢124名の子どもが参加しました。

子どもたちは集団学習の環境が整ったことで、参加前に比べると勉強への意力が増し、遅れていた学習のペースを取り戻すことができているとのことです。また保護者からは、宿題をする環境ができたことやサポートの手厚さに感謝する声が聞かれています。

対象年齢と活動時間が貼られたコンテナの扉

対象年齢と活動時間が貼られたコンテナの扉

 

継続的な学習サポートに加えて、心理的なストレスを抱える子どもたちのためのアンガーマネジメント教室や、クラフト教室なども開催されています。

アカデミックな活動の時は机と椅子を並べて学習ができる環境を整えていますが、心理教育のアクティビティの時間は、このようにリラックスした雰囲気の中で行われています。

心理教育のアクティビティの時間

 

アクティビティに参加した子どもたちの中には、注意散漫で集中力が続かない子もいましたが、徐々に忍耐力がつき協調性のある様子が見られたり、自信や心理的な幸福感が増した子どもが増えました。

 

 

トルコに限らず、突発的な災害や置かれた環境により「勉強したいのにできない」子どもたちは世界中に多くいます。真剣に勉強する姿や、楽しそうにアクティビティに参加する姿は、どの地域の子どもたちも共通してイキイキしていると感じます。本事業はまだ動き出したばかりですが、子どもたちに安定した学習の場を提供し、この施設で過ごす時間が地震のトラウマや心理的な負担を少しでも和らげる時間となるよう、現地・東京事務所で連携して尽力してまいります。進捗や子どもたちの様子は引き続きブログを通してご報告いたします。

 

 

本事業は、皆様からのご支援とジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金を受けて実施しています。トルコの一日も早い復興を願い、ご協力いただいた皆様には心より感謝申し上げます。